別れは突然におとずれた。
何のことはない、たまたまStepwgnのオイル交換に行き、壊れているバンパーや傷のいったヘッドガラスの見積もりを聞いた。
車検を通すには修理に20万円近くかかる、実はVitzもエアコンのコンプレッサーが壊れて修理に10万円かかるというので、替わりの車の購入を考えていた。
前からVitzがミッション車なので、今度もミッション車にしたかった。
今はオートマチックの方がアイドリングストップなどで燃費が良いとされている。
ただ、ミッション車は自分で乗り方を工夫できるので、燃費も良くできるし、走りも面白い。
Vitzが27万kmも乗ることができたのも、1000ccのミッション車だったから燃費が普段でも20km/lとよく、故障も殆ど無かったからだ。
12年前に購入したVitzは当時も人気車だったが、オートマチックが主流でその燃費は15km/lほどだった。
Vitzは家内がMoveで事故をして廃車にしたことをきっかけとして購入した。
事故で軽四の恐さを思い知ったので、せめてリッター車にすることにした。
今回は軽四も考えたが、確かに税金は安いが多くの距離を長く乗るには軽四は適さないことが分かった。
ハイブリッドも確かに燃費は高いが、私のような乗り方をすると充電器を途中で交換しなければならなくなると言われた。
ホンダで勧められたFitはミッション車もまだ普通に出しているので、購入は以前から考えていた。
たまたま、売れ残って工場にあるFitのミッション車が、破格の値段で買えると言うことに心を動かされた。
Vitzは元々家内の買い物用の車であって、私は殆ど乗っていなかった。
7年前に長期研修で上郡から社町まで大学院に通うことになり、燃費の良いVitzに乗ることになった。
往復150kmほどで、ガソリンは満タンにしても一週間持たなかった。
その時に2年間乗り続け、鹿児島に資料収集に行く際も往復1600km以上を乗り切った。
その後はしばらくStepwgnで通勤していたが、4年前に往復80km今の姫路の職場になってからもう一度Vitzが私の通勤車となった。
4年前にも名古屋までVitzで小さな学会にも行き、新名神を乗り切った。
1000ccのVitzの最大の欠点は上り坂の弱さであり、高速道路などではトラックにあおられたりして、嫌な思いをした。
それでも、満タンにすれば上郡から鹿児島まで途中給油せずに行けることは嬉しかった。
確かに渋滞している時はクラッチを踏む左足がだるくなったが、それも慣れると平気になった。
狭い路地でも走行でき、駐車も転回も容易にできた。
姫路バイパスでは婦人用とみなされて、割り込まれやすいのだが、逆に割り込むのも容易である。
エアコンが壊れてから暫く暑い日はバイパスでも窓から手を出して走行したが、心なしか後ろの車は車間距離を取ってくれた。
数々の思い出のあるVitzを手放すのは寂しい。
前にトランクのある古いミゼットを大切に乗っていた人がいたが、クラッシックカーにするほどの値打ちはない。
燃費の悪いStepwgnを廃車にして、Vitzを乗り続けることも考えたが、便利さでStepwgnに軍配が上がった。
飼っていたペットが死んだ時とも少し違うが、昔の人が愛馬を手放す時と同じ気持ちなのかも知れない。
たかが、鉄の塊の機械ではあるが、ハンドルを叩きながらよく頑張ってると夫婦で賞め合ったVitz。
もうすぐお別れである。
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