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2017年11月7日火曜日

負った子に背負われて

家内は実家の父親の具合が悪くて休日には留守がちになった。
この11月の三連休も半日は看病やら手伝いに出かけていった。
そんな折り、たまたま土曜に休みが取れた息子とドライブに行くことになった。
息子の通勤用の車は、数ヶ月ほど前に中古を買い換えたものである。
ETCも付いていないので、近場に行くことにした。
実は自転車で日生大橋を渡って、鹿久居島に行ってみたいと思っていた。
まずは下見に息子と車で出かけることにしたのである。
息子を乗せてのドライブは、小さい頃から最近までしていた。
しかし、用事で乗せてもらう以外にドライブで車に乗せてもらうのは初めてだった。

日生大橋は狭い急な坂になっていたが、ハイキング姿で一人歩く年配の人がいた。
これはいきなり自転車はきつい坂だなと、車で来て良かったと思った。
地図も持たず、ナビも付いていないので、何も考えず進むと頭島大橋を渡ってしまった。
しばらく行くと市営の駐車場があり、一日100円なのでそこに置いて散策することにした。
頭島という名前はよく聞かされていた。
母親の遠い親戚が民宿をしていると聞かされていたからである。
以前私が職場の幹事をしていた時に、そこを利用しようとしたが不便だと言うことで取りやめになってしまった。
予約までしていて、非常に気まずい思いをした経験の場所でもある。
頭島は思ったより開けていて、民宿も多かった。
観光施設らしき物は何も無く、防波堤で釣りをする人が多かった。
知っている人は、防波堤の空き地に車を駐めているようだった。

港から少し山を越えて、海水浴場まで行った。
細い路地で、海水浴客が車を駐めるのは難しいと思った。
浜辺のすぐそばに墓場があり、それを見て息子は大学時代に病気で亡くなった友達の話をし出した。
息子は高校の同級生を一人病気で、小学校中学校の同級生を放火事件で亡くしている。
特に病気で亡くなった友達とは仲が良かったようで、ショックだったようだ。
実はその友達のお姉さんは私の教え子であり、お父さんは職場の同僚でもあった。
その浜辺から駐車場に戻る時に、山の上に建物があるのが見えたので行くことにした。
この頭島には2017年まで小学校があったようで、山の斜面に記念の絵が描かれてあった。
その廃校になった小学校にも行ってみたが、山の上の景色の良いこぢんまりとした小学校だった。
なぜか、門は閉じられているのに、奥の方に車が一台駐められていた。
見晴らしの良い坂道を下って、駐車場までのんびりと釣り客を見ながら戻った。

島を出てからは、途中で運転を交代して、ブルーラインを通り鷲羽山まで行った。
鷲羽山は家族で何度か行ったところなのだが、息子はあまり憶えていなかった。
鷲羽山の展望台で思い出したようだ。
その時は弁当を途中で買って、海を見ながら食べた。
今回は客の少ないレストランの窓際の一等席でたこ飯定食を食べた。
昼時であるのにお客さんが少ない。
以前家内と二人出来た時にも思ったことだが、観光地としては寂れてしまっている。
ただ、自転車やバイクのマニアには格好の場所になっているようだ。

その後は息子が運転して渋川海岸沿いをドライブした。
いつもながらこの近辺の道は良く分からず、結局岡山港にたどり着いた。
コンビニで休憩した後、私が運転して家路についたが、途中で息子はぐっすり眠ってしまった。
普段あまり車で遠出しないので疲れたと後で行っていた。
久しぶりに息子と二人きりの長い時間を過ごした。
息子は職場のことを色々と話してくれた。
本来は父親ではなくて、友達や彼女とドライブをする年代なのだ。
一緒に過ごすことは望ましい状態とは思えず、父親としては複雑な心境である。
それでも、息子の仕事の様子を聴くことが出来て良かったは思う。
いつか、娘ともこういう時間がつくれたらと思うが、娘は鷲羽山に掛かる大橋の向こう側にいる。



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