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2019年7月27日土曜日

いつの間にか

以前、高校の同窓会で、容貌が変わってしまった同級生に驚いた話を書いた。
今回は、教師として同期採用となった仲間のKさんの変貌について書く。
たまたま、出張で同じ会場で出会った。
彼とは初任校の特別支援学校(当時は養護学校)で一緒となり、それ以来のお付き合いだ。
といっても、最近は毎年年賀状で状況を報告する程度であった。
彼の結婚式は私が司会を務め、奥さんも元同僚でよく知っていた。

その日、昼下がりの暑い中を会場まで歩いていた。
すると、年配の人が私を追い越していった。
会場に向かう人には、若い人も多くいたが、皆暑くてゆっくりと歩いていた。
私はきっと普段から身体を鍛えていて、歩くのも速い人だろうと、その人の後を追うように歩いた。
会場の玄関で、その人は手間取っていたので、結局部屋に向かう階段で一緒になった。
同じ部屋に行くことが分かったので、階段を登りながら話をした。
そして、部屋の前の受付の名簿チェックを入れている時に、その人は「あっ」と声を上げた。
何かとその人をよくよく見ると、Kさんではないか・・・
私たちはさっきまで、初対面の者同士として話をしていたのだ。
それが、30年以上の知り合いのKさんであったのだ。
彼とは10年以上も会っていなかったので、互いに顔も声を変化していて気づかなかった。
その後は、色々と情報交換をした。

受付で名前を確認しなかったら、おそらく最後まで気がつかなかっただろう。
その日は、以前勤めていた職場の知り合いが多くいて、挨拶をした。
やはり、若い人は直ぐに分かった。
私たちの年齢になると、容貌が大きく変化して、わかりづらくなる。
それは男性女性とも同じである。
完全に退職してしまえば、一緒に働いた職場の仲間とは会う機会は無いだろう。
そして、たとえ町で出会ったとしても、気がつかなくなってしまう。
ひょっとしたら、この出張の機会が、そういう仲間と会う最後のチャンスだったのかと思えた。
そして、先輩達も同じ気持ちで、いつの間にか消え去っていったのだなと感じ入った。



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