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2024年3月12日火曜日

鉄道の価値再認識

 大阪で、古代メキシコ展をやっていて、前から家内とふたりで行くことにしていた。

私は仕事を完全退職したので、いつでも行けるのだが、やっと家内が平日に休みが取れたので、行くことができた。

実は、私はこのごろJRを遠くまで使うのに、行きは上郡駅からスーパーはくとに乗っている。

理由は長い時間トイレを我慢するのが辛いからだ。

以前、新快速でトイレのある車両にわざわざ乗って、大阪駅のかなり手前で入ろうとしたら、ずっと使用中になっていた。

どうも、非常に混雑していたので、中の便座に座っていたらしい。

この経験から、尿意をよくもよおす午前中には、特急列車を用いることにした。

昔のように、グリーン車がどの車両にもついていたら、それを利用するのだが、この辺ではまだ通勤時の一部しか無い。

午後はそれほどでもないので、普通に新快速で帰ることができる。


スーパーはくとの自由席は、空いていて快適なのだが、問題はエンジン音である。

骨伝導のイヤホンを持ってきたのだが、うるさくて殆ど聞こえないので、ずっと景色を見ていた。

私は中学高校と姫路まで、予備校時代は神戸まで通学した経験があるので、景色は変われども懐かしく旅情に浸ることができた。

明石からの海の景色を見終えるまで、尿意は我慢してから、用を足した。

やはり、席を立って、何度もトイレに行くのは恥ずかしいからだ。

特急料金は痛いのだが、我慢する辛さに比べれば、自分にとっては必要経費なのだ。


古代メキシコ展の展示は、目を見張るものが多かった。

特に私は今、ジェームズ、C,スコットの文献をもとに、国家について考えているので、この都市国家のあり方には興味が持てた。

国家と兵士、奴隷の関係、そして祭り、生け贄の関係というのは、あまり触れたくないことだが、重要なことだと思っている。

今回の展示は、写真撮影が可能だったので、たくさん撮らせて貰った。


帰りは大阪駅で、ダイヤが乱れてずいぶん待たされた。

新加速では何とか座れたが、車内は混雑しており、行きの特急に比べて旅情は味わうことは出来なかった。

ただ、はくとのようにエンジン音がうるさくないので、骨伝導イヤホンで聞き逃しのラジオを聞くことができた。

普通車に乗り換えの姫路駅でもダイヤが乱れていたが、何とかここでも座ることができた。

ちょうど、学生の帰る時間帯と重なり、大学生や高校生が車内にはたくさんいた。


私は、この一年間ずっと高校生の授業を担当して、高校生とは接する機会はあったのだが、大学生以上の若い世代はあまり接点がなかった。

電車の中には、お年寄りからサラリーマン、高校生まで老若男女がいる。

当たり前の情景なのだが、高校生以外の若い世代を見るのは久しぶりだった。

特に若い女性が、寒さをものとせず、いかに美しく着飾っているかを、改めて感じた。

そのことを家内に言うと

「若い頃のおしゃれは 我慢よ おばちゃんは 見た目より 現実の寒さ対策よ」と

家内は素朴なダウンジャケットを着ている。

因みに私はダサいダウンジャケットを着るのが嫌だったので、中に「ひだまり」の保温肌着を着込んで、ピンクのポロシャツにお気に入りのデニムジャケットを羽織っただけだった。

美術館に行くのに、それなりに我慢のおしゃれが必要と感じたからだ。


普段ドライブに出かけて、店や食堂でもお年寄りしか会う機会のない私には、非常に新鮮に感じた。

若い人のおしゃべりも聞こえるし、若い女性は着飾って花のように咲いている。

車と違って鉄道が良いのは、色んな人の様子を知ることができることだろう。

残念ながら、私は結局一度も鉄道を使った通勤をしなかった。

自宅も職場も駅からかなり遠かったからだ。

せめて、これからはなるべく鉄道を使って、色々回ってみたい。

今回、初めてモバイルICOCAを使って便利なことも分かった。

実は今回、私の大好きな青春18切符のことを忘れていた。

この切符を使って、快速で行けば、時間はかかるが、経費はずいぶんと節約できた。

要するに、トイレに行きたくなれば駅に降りれば良いし、そもそも、快速は新快速ほど混んでいない。

ただ、弱点は一時間に1本未満の運行では、駅に降りると大幅に到着が遅れてしまう。

それでも、何を隠そう、私は学生の頃は乗り鉄だったのだが、職に就いてからは、滅多に鉄道は利用していない。

これからは、乗り鉄に戻って、日本中をゆっくりと駆け巡ろうと思っている。


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