昔のCMで農家のじいさんが、ヤンマートラクターを宣伝していた時の台詞である。
数年前から、農機ではなくて、蚊などの虫除けにオニヤンマ君(模型のオニヤンマ)を物干し竿や、玄関先につるしている。
以前は、犬の散歩前に、玄関や庭先で蚊に食われていたのだが、最近は食われてないので多分効果があるのではないかと思っている。
そういえば、こちらでは蚊に「食われる」というのだが、標準語では当然「刺される」である。
また、こちらの地方では「噛まれる」というのも普通に使う。
こちらでは刺すのは蜂で、血を吸う虫は「食う」「噛む」と表現する。
ただ、ブト(ブユ)やアブには「噛まれた」と表現するのが普通で、血を吸うのがはっきりしているから蚊は「食う」と表現すると思う。
人によっては、まったく蚊に食われない人がいて、平気で短パンと半袖Tシャツで農作業をしている。
その人には、「マダニが怖いで」というのだが、暑さ対策の方を優先しているようだ。
ネットで調べると、噛まれやすい人として、「汗をよくかく」というのが当てはまっている。
だから、私は防虫スプレーや防虫ネットを使ったり、空調服を着て散歩したりしていた。
ところが、空調服を着る時には、中に保冷ベストを着込まねば却って暑いだけなので、支度する準備が大変だ。
やむなく、早朝5時過ぎの散歩には、ジョギングをしていた時のランニングシャツと短パン、ただし、短パンの下にはマダニ対策のコンプレッションをつけている。
これで、気軽に涼しく散歩できると思っていたのだが、山際を歩く時にはブトが顔によってくる。
たぶん、ブトは吐く息に寄せられてくるのだと思うが、それを手で払うのが面倒なのだ。
ブトに食われると私は、大きく腫れ上がってしまい、以前はまぶたを噛まれて大変なことになってしまった。
だから、なんとかできないものかと、思案していた。
光る物が苦手かと、アルミ網の帽子を被ってみたが、大して効果は無かった。
そんなときに、帽子にオニヤンマ君をつけて散歩している人を見かけた。
吊しているのを使う手もあるが、いちいち取り外すのは面倒なので、さっそくネットで注文した。
小さい頃は、すばしっこいギンヤンマを捕ることができれば大満足だった。
捕ったギンヤンマをひもにつけて、他のヤンマを捕まえたりもした。
オニヤンマなどは滅多にお目にかかれる物では無かった。
シオカラトンボや赤とんぼは、狙う相手ではなかったが、指を回して目を回らせて捕まえて楽しんだ。
糸トンボなどは、溝や池にいっぱいいて、誰も捕ろうともしなかったが、今は滅多に見かけない。
ヤゴの生息できる溝や池が農薬で汚染されてしまったからかもしれない。
今はあれほどいたメダカさえ絶滅して売られているのだから、仕方ないことかもしれない。
今朝も、赤トンボが田んぼの上をいっぱい飛んでいるのを見かけたが、このトンボたちのお陰で、農道ではブトや蚊に刺されなくてすんでいる。
できれば、山際にもやってきて食べて欲しいのだが、田んぼの方が獲物が多いのだろう。
といいながら、最近では稲の葉には蜘蛛の巣を見かけない。
以前は、田んぼの全面に蜘蛛の巣がかかっていて、朝や夕方はそれが光ってきれいだった。
おそらく、農薬のせいで、蜘蛛もいなくなったのだろう。
畑にいたアマガエルなどもめっきり減ってしまった。
家の中では網戸のお陰であまり蚊や蠅に悩まなくなったが、あれほどいたハエトリグモなどもいなくなった。
虫たちと共に暮らしていた生活は終わって、模型に頼る寂しい時代になったのだと思う。
私は、本当は模型のヤンマより、本物のヤンマが大好きなのだが、これは人類滅亡への虫の知らせかもしれない。
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