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2025年3月7日金曜日

惨めな元教頭を読んで

 ネットの記事「惨めです…〈年金月21万円・退職金2,700万円〉65歳で完全引退した元教頭の男性、悠々自適な毎日を送るはずが「わずか4ヵ月」で老後破産の危機」を読んだ。

校長試験を敢えて受けずに、教頭で終わり、元校長達への劣等感から投資に打ち込み、多額の損失を出している元教頭の話である。

私が管理職を考えさせられていた頃は、特に教頭は激務で過労死をしたりする例が兵庫県では多かった。

校長になるのも命がけだったようにも思えたので、管理職になりたいとは思わなかった。

教育大に長期研修したのに管理職になろうとしないことで、校長から嫌みを言われたが授業料等の多額の負担をしており、毅然と反論していた。

上司に勧められて教頭になっておきながら、校長にならないのも私には理解できない。

私は、そのように管理職にもならず、3年も早く早期退職したので、退職金はこの元教頭よりかなり安かったが、貰っている年金は同じようなものだ。

私は高校で元教頭は中学校という違いはあるが、元教頭の勤続年数が40年以上で、私は院卒なのでたかだか30年(内2年は長期研修)ほどだ。

私は手当のつく特別支援学校を10年以上勤めているし、給与の高い特別な高校で働いていたので、そのお陰だと思う。

ただ、年金が支給されるまでの期間はかなり、家内に迷惑をかけた生活を送ってきた。

私は管理職との付き合いが無いので、元教頭のような場には呼ばれないが、母校の同窓会では管理職もいた。

しかし、同窓生は意外と管理職にはなっておらず、惨めに感じることも無かった。


現役の教師の中には、管理職など目指さず、株の取引に熱心な人も少なからずいた。

理科や数学の先生が多かったが、社会情勢をよく調べていて、地歴・公民科の私とは話が良く通じた。

株取引に熱心な人は奥さんも教師でお金に不自由が無い場合や、資産家で不動産収入がある人だった。

知り合いの高校女性教師の旦那さんは中学教師だったが、株取引に専念するために早期退職をしたと聞いた。

私が懇意にしていた理科の先生は奥さんも教師だったが、株で2億円稼いだら教師は辞めると言っていたが、教師の仕事を楽しんでいるところがあった。

この教師は株でもうけたお金は、子どもがいなかったこともあって、好きな音楽等の趣味や車につぎ込んで、車などは外車も含めて3台ほど持っていた。

株をやっている人との会話はついて行けなくて、ちょっと売り損ねて50万円損したとか言うが、儲けたことはあまり言ってくれなかった。

こういう風に、現役の時から投資に携わっていなくて、退職後に多額の投資に手を出すなんて無謀なことだと思う。


校長になっておけば、退職後に色々と仕事が世話される。

例えば元体育教師などは社会教育施設の役職に就くことが多い。

私の知っている中学校の体育上がりの元校長は、とある研修施設でパソコンが扱えなかったので、薪割りをして多くの時間を過ごしていた。

高校の元校長の多くは私立大学の生徒募集担当に採用されて、校長のネットワークを使い高校を回って生徒を集めている。

また、小・中学校の元校長は市町村の教育関連の機関に再就職している人も多いようだ。

そして、初任者研修指導には元管理職があたることが多く、授業を担当するよりは負担無く高収入が得られる。

教頭の激務を耐えたなら校長になった方が、退職後が断然有利であることが歴然である。


私が知っている教頭止まりの人は、教頭で再任用できないので、別の高校の平教諭に戻ってなり手の少ない学年主任を任されてたが、非情で過酷に思えた。

成功例としては、女性教頭で現役退職した知人で、私立大学に採用されて教育科長を勤めていた。

働いていた研修所でたまたま出会った時に、何かあったら相談してと名刺を頂いたが、これは私が惨めに感じて相談できなかった。

こういう教育実践に造詣の深い人は、大学の教員養成担当として採用される例が多い。

特に、管理職経験者は大学からの要望があるようだ。

この場合は、元校長よりも、生徒や教師の指導の経験が大切なので、現場にはり付いていた元教頭の方が良いかもしれない。


管理職で無くても、受験指導や教科指導の堪能な人は、今は現場から求められることが多い。

70歳を過ぎても受験指導などで非常勤講師をしたり、私立高校の常勤講師をする人もいる。

中学校の元校長でも、授業をするのが好きだと言って、高校の臨時講師を非常勤や常勤でしていた人を知っている。

私は去年までは非常勤講師をしていたが、新課程の対応が煩雑で割に合わないので、延長を求められたが断った。

学校厚生会から定期的に来る冊子には、「助けてください」と退職会員に講師応募への切実なるお願いが書かれてある。

見限られた教育職には、現場経験の豊富な退職者が最も必要とされている。

無謀な元教頭先生の例は、下手に管理職になって失敗した例外的な愚例だと思う。






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