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2012年9月14日金曜日

屋根のあるオープンカー

職場からの帰りだった。パンクかと思えるほどの音がした後、アルコール臭が漂った。
車を路肩に止めて、タイヤを確認したが何ともない。
不安を感じつつ車を動かしたが、エアコンが全く効かなくなっているので、了解した。
エアコン系統にトラブルがあったのだ。この夏の暑さで車もダメージを受けていたようだ。
この車はVitz(1000ccMT)、購入してから12年目である。走行距離も優に25、000kmを超えている。
もともとは家内が乗るために購入したのだが、長期研修中や今の職場に換わってからは私が乗っていた。
なにせ、マニュアル車のため20km/lという優れた燃費を持ち、スピードも坂道以外はそこそこでたからである。

私は通学や通勤以外に、鹿児島や名古屋までこの車で出かけた。
山陽自動車道の坂道でトラックに煽られたり、新名神の高い橋の上の横風にハンドルを取られたりして怖い目にあったが、事故は全くなかった。
パンク以外に故障らしいものはなく、ここまで来たのだが、ついに年貢の納め時となった。
コンプレッサーが壊れており、修理するには10万円はかかる。
エンジンの振動も大きくなっており、これからトラブルが出てくる可能性もあるので、修理するメリットはない。
それでも緊急に買い換える必要な無いので、次の車を買うまで乗り続けることにした。

朝は幾分涼しくなったが、渋滞したトンネルで窓を開けていると排気ガスが充満する。
まだ、30℃を超える夕方に運転するのは辛くて、冷却スプレーを頻繁に服の上からかける。
窓から手を出して、外の風を中に引き込んで走るのだが、高速でも気にならなくなった。
たぶん、女性がよく乗るVitzの窓から、黒くて太い腕が出ていると異様に思うだろう。
心なしか後ろの車は車間距離をあけてくれているように思う。
全く関係なく後ろに迫ってくるのは、やはりトラックである。
もうひとつの利点は、信号のない交差点で進入しやすくなったことである。

まだ雨を経験していないが、窓を開け放った運転にも慣れてきた。
聞けば同じ職場の人も同じように車のエアコンが壊れているという。
考えてみれば免許を取って間もない頃の車には、エアコンが付いてなかったのも多かった。
中古で買った車もエアコンのガス漏れで使えなくなった。
当時は窓を開けて運転している人も多かったので、たいして気にならなかった。
ところが、今車の窓を開けて運転しているのは、軽トラくらいである。
たまに、少しだけ窓を開けて運転している普通車も見かけるが、私のように4つの窓を開けている車はいない。

オープンカーは屋根がないから格好良いのだが、屋根のあるオープンカーは様にならない。
それでもけなげに走ってくれるVitzを、直ぐに別の車に買い換える気にはなかなかなれない。
ネットで色々物色しているが、燃費が良くてマニュアル車で、信頼できる車はなかなか見つからない。
軽四も考えたが、職場の人が10万キロでエンジンに問題が起こったことを聞くと、高速で通勤するには不安がある。
そのうち涼しくなって、窓を閉めて走られるようになるだろう。
冬場は服を着込めば寒さもしのげる。
ひょっとして来年の夏まで乗り続けることになるかも知れない。
さすがに、真夏にエアコン無しで通う気力はない。
窓を開けて走れば景色も違って見えるし、燃費も良くなった。
そう言う意味で屋根のあるオープンカーも悪くはないと、愛車のハンドルを叩いてねぎらっている。

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