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2015年9月21日月曜日

破壊犬クロ

うちの子供が幼かった頃、私が持っていた昔の記念品を次々と壊してくれた。
その時に、「子供は思い出の破壊者」と日記には綴っている。
惜しい物もあれば、壊してくれて気が晴れる物もあった。
今、家にいる愚犬クロは、思い出どころか、家まで壊す勢いである。
先日も、エアコンの室外機の配管を食い破った。
縁台代わりにしているソファーもぼろぼろになった。
体を洗ってやる時は大騒動で、こちらもかすり傷を負う。
去勢した後の抜糸は家でしたが、家内と二人がかりで、格闘した。
その都度、私は我慢した。
堪忍袋の緒が切れたのは、自分を散歩に連れてくれる散歩道具を全部食いちぎった時である。

私もうっかりしていたのだが、伸縮可能なリード、ハーネス、口輪2つを籠に入れて、そばに置いたまま仕事に出かけてしまった。
帰宅して、何があったか分からず、しばらく呆然としたが、全てが壊されているのを知って怒りがこみ上げてきた。
岡山県の「不幸な犬と猫をなくす会」に返すことも考えたくらいである。
それでも気をとり直して、修理することにした。
特にリードは値が張る物だったが、結局直すことは出来なかった。
他は、結束バンドを用いて何とか修理していった。
しばらくは、クロも私の怖さを思い知ったようだったが、つい先日も、別の太い引き綱を食いちぎり、今日は代用のトラロープの引き綱を食いちぎった。
結局、歯が立つ物は無理だと思い、鋼鉄ワイヤーの固定式の物を引き綱に代用した。

犬小屋の周りには、ベランダボックスを用いたり、ベンチを用いたりして、悪さをしないように対策をした。
それでも、穴を掘ったり色んな物をくわえ込んだり壊したりした。
結局、今日猪や鹿よけの鋼鉄柵を周りに張り巡らした。
同じ村の中で、ダルメシアンを飼っている家では、綺麗な白いフェンスで囲ってあった。
雑種の猟犬のフェンスは一枚400円で十分である。

最近は、私もだいぶ体力も回復したので、散歩の時に一緒に走ったりする。
今日は千種川の川原で、放してやったが、本来の猟犬に戻ったクロを捕まえるのに全速で走った。
先日も、池で蓮の実を採っていたら、自分から池に飛び込んだ。
自分で飛び込んだくせに、這い上がれなくて引き綱で助けてやった。
枯れ草の上では潜り込んだり、のたうち回る。
散歩している他の犬でそういう姿を見たことが無い。
昨日の夕方の散歩では、昼間の農作業で疲れていたので、自転車に乗って行った。
進行方向に別の犬を見るや、犬ぞり状態になった。
その別の老犬の持ち主は、その力強さに感心していた。
私は早く、通り過ぎていくように頼んだ。

こうして、破壊犬クロは平穏な私の生活を、一変させてしまった。
まさしく、子供が幼かった頃と似ているなと苦笑せずにはいられない。

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