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2017年4月7日金曜日

プールに戻った海豚

私は自分のハンドルネームに海豚を使うことがある。
イルカと書けば、無骨な私には不似合いだ。
いっそ蘇我入鹿の名前を借用しても良いが、体型は海の豚なのである。
海が大好きな私には、海豚が相応しい様に思う。 
定時制の高校に勤め始めて、殆どしなくなったのが水泳である。
長いことやっていた水泳部の顧問が、出来なかくなったのが関係している。
定時制には運動系のクラブとして、バドミントン、バスケットボール、柔道しかなかった。
水泳の経験者が入学すれば、水泳部を作りたいと思っていた。
単なる趣味と健康で始めた水泳なのだが、上郡高校で顧問をやり始めてからずっと練習を自分でも続けた。
マスターズの大会に参加したり、スイミングスクールに通ったりもした。
それは顧問として専門性を高めたいということと、生徒と一緒に泳ぎたかったからだ。

赤穂高校の全日制に勤めるまでは、上郡のB&Gプールの年間使用券を持っていた。
赤穂高校は赤穂の市民プールを無料で使わせて貰えるので、生徒と一緒に冬場は泳いだ。
個人的に泳ぎたい時は、上郡や相生のプールの回数券を買って泳いだ。
退職したのをきっかけとして、何年かぶりに上郡プールで年券を買った。
18000円と以前より倍近く値上がりしていて驚いた。
プールの管理やスクールの指導をする業者が今年から変わって、雰囲気が一変していた。
コーチは若い男女二人を除いて、腹の少し出た中高年の男性だった。
そして選手コースには、選手がいなかった。
聞くところによれば、前の業者のコーチについて辞めたそうである。
水泳では良くある話なのだが、全くゼロになったというのは驚きである。
因みに昨年は全国大会にも出場する選手がいた。

泳ぎ自体は、昨年度一年の間に数えるくらいしか泳いでいなかったので、自分でも情けない泳ぎになっていた。
専門のバタフライが、25mなのに2本目で腕が上がらなくなってしまった
クロールも50mを1分サークルで5本しか出来なくなっていた。
トータル3000mは軽くこなせていたのに、2000mも泳ぐとへたってしまった。
そもそも、アップのSKPS800mで体力を失った感もある。
こんな情けない状態でも、慰めてくれるのはプール仲間である。
高橋さんは元国体出場のスキー選手だが、体力維持と健康をかねて水泳もしていた。
彼は画家でもあるが、今は年金暮らしの自給農家になっている。
高橋さんに泳ぎを手ほどきした方だが、慰めてもらう立場になってしまった。
プール仲間は沢山いたのだが、その仲間も数人に減ってしまった。
今日も帰り際の仲間に、家島で開催されるオープンウォーターに出場することを誘われた。
高橋さんに聞くと出場しないという。
彼は競技としてはスキーで十分で、水泳は競技にしたくないという。
レースは確かに励みになるが、故障するリスクも増える。
この歳になれば、楽しみながら泳ぐ方があっているかなと思った。

本物のイルカは演技させられるが、犬の様にレースはさせられない。
水の中なので見ていても面白くないからだろう。
イルカは遊びが大好きで、人とも遊んでくれる。
私は人と競うより、プールや海、川でイルカの様に遊んだり、食べたりしようと思う。
暖かくなれば、SUPも再開だ。
いずれはウェットスーツの良いのを買って、冬場も海に行きたい。
この海豚も生まれ育った海で、暮らしの糧を得たり、遊ぶのである。

ただ、若い選手と一緒にまた泳いでみたいと、ひとりで練習に来ていた高校生くらいの選手を見て思った・・・

2017年4月3日月曜日

兼業狩猟採集・農家

退職を機に、私は兼業狩猟採集・農家にもなった。
今までは教師をしながらの兼業農家もしていた。
兼業農家と言っても、農業からの収入は全く無くて、自給用だったり、配り物だったりした。
作物をあげるとお返しがあるので、物々交換の意味もあったが、喜んでもらう方が重要だった。
定収入を失った今では、まずなるべく金をかけないで農業をしなくてはいけない。
そのために、肥料は安い鶏糞くらいにして、後は海藻や落ち葉を拾って肥料にする。
既に退職前から、海岸に出て打ち上げられた海藻を拾ってきている。
海藻のある海岸は自動車が進入禁止なので、運ぶのに色々と工夫を凝らしている。
落ち葉に関しても、かさばるので籾殻を入れるビニール袋を使うなどの工夫をした。


散歩もただの散歩ではなくなった。
クロとの散歩では、遠くの千種川の河原で出かけて、自然に生えているオニグルミを拾ったりしている。
オニグルミは小さく堅いので、誰も拾わないらしく、いっぱい落ちたままだ。
それを昨日も拾いに行ったら、川には白鳥が1羽川面に浮かんでいた。
優雅な白鳥を見ながら、せっせとクルミ拾いをした。
そのそばで、クロが時間を持て余して、繋いでいたクルミの木に巻き付いてしまい、解くのに手間取った。
その採ってきたクルミは、暇な時に庭で日向ぼっこをしながら、金槌で割って食べている。
小さいのでほじくり出すのが面倒だが、千枚通しを使えば何とかやれる。

昼食後は、仕事に行っていた頃は、職場の近くの海岸を散歩していたが、近くには海は無い。
その代わり、田んぼのあぜ道や、貯水池の土手に散歩に行って、ヨモギやツクシ、ノビルを採っている。
ヨモギは乾燥機で乾燥させて、粉末にしたら、粉とモグサができあがった。
粉はあまり多くとれないので、乾燥した葉をそのままお茶代わりにしたりもしている。
ツクシはこれまではいっぱい生えているのを見ても、はかまを取るのが面倒なので採らなかった。
今は十分時間があるので、採ってきて私がはかまを取り、家内に料理してもらった。
ノビルはそのまま洗って、根と葉を切って食べるだけである。

また、夕方にも時間が出来たので、海に行ってアサリを捕ろうと思ったがいなかった。
仕方なく帰ろうかなと思ったら、亀の手がいっぱいいたので、それを獲ってきてゆでてもらって食べた。
その後「海辺を食べる図鑑」(南方新社)を調べると、海の物はたいてい食べられると言うことなである。
その時は海藻がいっぱい生えていたが、食べられそうに無かったので採らなかった。
これからは、岩についている海藻や、見向きもされないヒザラガイなどの岩に張り付いた貝も獲ってみようかと思う。
魚釣りも良いのだが、釣り道具などに費用が掛かるので、拾ったり潜って採った方が安上がりだ。
そもそも近くの赤穂の海は、私が子供の頃とは違い、魚が減ってしまって簡単に釣れない。

当然、農業に関しては、色々と金は掛かるが、肥料をなるべく自然の物を用いたり、種取り、苗とりも自分でやろうと思う。
出荷することも考えたが、収入を得ることになると、自分のやるべき研究が疎かになってしまう。
水泳もこれからは競技としてでは無く、漁に活かしていきたいと思っている。
去年から始めたSUPと組み合わせれば、立派な海人、川人になれるかもしれない。
これで、好きな歌や踊りが出来れば、立派な兼業狩猟採集・農家になれる。
おそらく、高度経済成長が始まるまでは、田舎ではそれが普通だったのだろうと思う。
長年、文化人類学や民俗学に関わってきたが、それを暮らしに活かせそうである。
そして、全くの貧乏だったが、夢と希望に満ちていた学生時代に戻った気分でもある。
論文の執筆に悩むのも一緒だが・・・・