馬謖(ばしょく)とは「泣いて馬謖を斬る」というたとえの人物のことで、中国に三国時代蜀の諸葛孔明が可愛がっていた馬謖を指示従わず大敗の咎で斬罪したことに由来がある。
高市総理にとって簗大臣はまさしく馬謖に近い可愛い存在だった。
選挙で対立した地元自治体の予算をカットしたとの発言が報じられた簗和生農林水産相の問題は、会見で発言を撤回し謝罪するも、続投の姿勢に批判が噴出しているという。
「とにかく私の大事なやなちゃん」として、選挙区で落選して比例で復活で、"裏金"の不記載額も突出して多かった人物をみそぎも出来ていないまま高市総理は起用した。
小選挙区の戦いに敗れ、その意趣返しを予算カットで行い、選挙運動でも違法行為が伝えられている部下をなぜ斬れないのかが国民の思うところだろう。
本来なら農水大臣はこれから一番米価問題で矢面に立って、政権を支えねばならない重要なポストだろうが、地方を基盤とする農水族には熱望されるポストだという。
だから、簗大臣は念願のポストを得られたわけであり、高市総理はおねだりを叶えてあげたわけである。
昨日(10/9)も朝のテレビニュースで鈴木宗男氏から厳しく叱責されているシーンが放映されたが、大臣は謙虚に侘びていた。
このところ、いじめられていると見られると、却って民衆から同情を得ることができる。
身近なところでは兵庫県の斉藤知事であるが、県民からの同情を得て知事を続けている。
今回も、簡単に責任をとらせて止めさせる必要は無い。
野党は衆議院では全く相手にする必要も無く、参議院をやり過ごせば圧倒的な衆議院の数で何とかなる。
野党やマスコミに簗大臣をいじめさせ、自分や自民党議員からも突き放されても頑張っているのを民衆が見ればきっと同情をかうだろう。
普通の国会議員ならプライドと責任を感じて自ら辞任するだろうが、大臣にはプライドもなさそうだし、高市総理の策略に乗っていた方が可愛がってもらえると踏んだのだろう。
今の自民党にとっては理念理想よりも、民衆の心を掴む高市総理の魅力に頼る方が得策なのである。
ただし、これも内閣支持率が保てていればの話で、アメリカのトランプ大統領のように直接民衆から選ばれたわけではないので強気を通せるわけではない。
このところ、沖縄での米軍兵士による強盗殺人事件が大きな問題になっている。
もし、これが沖縄知事選挙の前に起こっていたなら、選挙の結果は変わっていたかもしれない。
辺野古での事故でネットで晒された同志社国際高校の教諭が列車に飛び込み自殺して以来、民衆の同情は引き裂かれた状態になっている。
基地がある以上、こういう痛ましい事件が起こることは避けられないことが分かっていながら、自民党政権との関係を重要視した県民に対して安易に同情できるものでもない。
表面上は高市総理も事件への抗議の姿勢を見せているが、台湾有事を口にして中国との関係を悪化させた手前、徹底して対処できないだろう。
この米軍基地問題の方がむしろ厄介なので、簗大臣をスケープゴートにして晒しておいて、上手くいけば同情を得られると思っているのかもしれない。
高市総理はなかなかの策士に思えてきた。