東京都の小学校で起きた火災は、教師が朝6時に学校へ来て私物を洗濯してストーブで乾かしていたのが原因とされている。
経費節減のためなのか、多忙のためにそうせざるを得なかったのかで、全く見方が分かれてしまうだろう。
ただ、思い出したのは私のある教師のことだ。
私はとある寮のある高校に勤務して、その寮の夜の宿直の勤務をしていた。
たいがいは二人で行うのだが、その時には私より少し年上の先輩男性教師と宿直をしていた。
その人は奥さんも教師で共稼ぎあったが、朝早く一度自宅に帰って子どもの弁当を作っていたがその日の朝も帰って行った。
二人で高校教師として働いているので経済的には全く問題はない。
別の高校勤務の奥さんには宿直はないので、弁当も作れるはずだ。
どうも、夫婦間の問題でそういうことを行っていたようだ。
この場合は勤務の持ち場を離れて、自宅に帰ったわけだが、もし、交通事故でも起こしていたら重大事になっていただろう。
宿直勤務はその人にとっては大きなリスクを伴う勤務でもあった。
別の教師は奥さんが病気がちなのを理由に宿直を免除してもらっていたが、子どもの弁当で免除してもらうことはできなかっただろう。
早朝に学校に来るケースは中学校や高校ではクラブ指導や、朝の補習で珍しくは無い。
また、朝の渋滞を避けるために早く学校に来るケースもあった。
家庭科教室など特別教室や準備室を私的に利用することもそう珍しくは無かったし、以前は校内で生徒とバーベキューをすることも有った。
文化祭などでは屋台を出すために同じようなことをするので、あまり問題に思わなかったように思う。
また、教室を宿泊するように畳などを敷いて、夏休みに合宿したこともある。
校務員さんの部屋は畳が敷いてあって横になれるので、そこで昼寝をさせてもらっている教師もいた。
また、寮の宿直は手当が付くので、若い独身教師は魅力であって、他の教師から頼まれて宿直を多くして、その手当が通常の給料を上回ることもあった。
しかし、それはさすがに途中から止められたようだったが、それまでは、ほぼ寮生と同じような生活をしていたことになる。
そして、定時制の教師は若い人が多かったので、勤務時間を超えてみんな一緒に明け方まで学校で過ごしていたことも聞いたこともある。
当時の定時制の教師はそういう勤務で、多発する生徒の問題行動に対処していたようだった。
今回の音楽担当教諭が学校を自宅代わりにしていたとしても、そう不思議には思えない。
後日のネットニュースで熱心な先生だったと書かれてあって、多忙でそうせざるを得なかったと確信した。
問題なのは、そういう行為は必ず他の教師も知っているわけで、管理職の耳にも入ったはずだ。
知っていて敢えて目をつぶったのか? 本当に知らなかったのか?
音楽教師は入学式、卒業式での大切な学校行事ではピアノでの号令など大切な役割を担当する。
他に音楽会やクラブ担当でも責任ある役割が多いだろう。
学校を中心にして生活する熱心な先生に対して、その行き過ぎた行為を周りからも止められなかったように思えてならない。
確かに音楽教師が重大な過失をしたことには間違いないが、そういようにならないように周りや管理職が配慮していなかったことも問題だろう。
事故や事件が起こってしまったら、起こした本人だけに責任を押しつけて組織としての問題点を隠してしまったら、同じ事の繰り返しになる。
特に校長は音楽教師をかばうでもなく、責任を全部押しつけようとする態度がテレビニュースの画面から伝わってきて、正直憤りを感じていた。
因みに教師の懲戒免職はそう珍しくない。
私が勤めていた学校でも、不正経理や生徒への性的行動で懲戒免職になった人を複数知っている。
特に不正経理の方は、よく知っている教師だったが、余分な仕事を多く引き受ける代わりに、その代償としてちょっとした金をごまかしたように自分には思えた。
懲戒免職にならなくても、自主的に退職せざるを得なかったケースはもっと多く知っている。
また、過労が原因で病気になって現役で亡くなる先生も珍しくなかった。
その一方で、途中で公立から私学に変わったり、転職したりする人も少なからずあった。
また、近年は教師への志望者も減っているし、採用しても続かないということを聞いた。
私と同じ歳の人がまだ特別支援学校に常勤で働いているので理由を聞くと、若い先生に任せておられないという。
人気を失い教師の質の低下を招いていることを危惧せざるを得ない。
教師だけがそういう組織にしたのではなく、政府の教育政策もそういう組織を生み出した責任者だと私は思っている。