私は新聞に折り込まれた広告で知ってはいたが、別段関心も無く行くつもりは

朝の8時前には雨の中、既に多くのブーステントで準備が始まっていた。
販売の準備をしながら、メインステージのリハーサルを見たりもした。
自分もこういう舞台で演奏できたらなと思いつつ、雨に濡れた芝生の上で重いキャリアを押した。
開会セレモニーは多くの関係者が挨拶を行っていた。
この企画は西播磨県民局県民交流課、兵庫県県民生活課が中心となって開催されたものである。
県政150周年とまちびらき20周年を記念した一大イベントである。
ちょうど今播磨自動車道が播磨新宮ICから山崎JCTまでの延長工事を行っている。
中国縦貫道と播磨道を連結させた時に、この公園都市に賑やかな商業プラザを創る計画らしい。
ウィキペディアによれば
「開発開始から30年にあたる2015年の報告では、区域人口は1,434人であり、当初の計画人口25,000人に対し僅か 5.7%にとどまっている。
主に公共施設や研究施設等が立地しており、造成地の大半は現在売り出し中」
ということで、現段階で言えば、成功しているとはいえないだろう。
私はかつてこの公園都市の一角にあった大学付属高校に勤務していた。
この教育大学を除いて公立大学ではあまり例を見ない中学部を併設させて以来人気は上がっているようだ。
私は中学部ができて二年目で転任したので内情はよく分からないが、志望数からするとそう思える。
Spring-8をはじめとする研究機関や大学、多くの企業を誘致して発展する予定であった。
しかし、西播磨を活性化するほどの起爆剤にはなっておらず、膝元の上郡は過疎化に苦しんでいる。
実は附属高校・中学は上郡町にあるのである。
しかし、町にいて親しみも、なじみも無い学校になってしまっている。
このフェスティバルで出会ったのは、殆ど昔の教員仲間である。
附属高校や職業高校を中心としたブースがあったので、出会って当たり前なのだ。
知っている地元の人は一家族だけだった。
雨の中、入場者の数も少なく、商品の売れ行きも悪かった。
目立ったのはスーツを着た人たちで、いかにも役人という風貌で仕事で来たという感じであった。
その人たちの中にはスーツに長靴という格好で、巡り歩いている関係者もいた。
知事さんも雨の中、ブースを覗いて声をかけてくれた。
このフェスティバルが済んだら、また静かな鹿の遊ぶ町に戻るだろう。
中心となっている、光都プラザの店舗は入れ替わりも多く、空き店舗のオーナーを募集している。
広島大学は賀茂学園都市の中核として発展に貢献したようだ。
娘が通っていた関係で何度か行ってみたが、同じテクノポリスでも雲泥の差である。
国立と県立の差といえばそれまでだが、もっと工夫が必要だろう。
何よりも地元との関係をもっと親密にする必要があるように思う。
それにはもっと便利で安いアクセス方法が必要である。
鹿との衝突や冬の雪に苦しめられる、道路も問題だ。
賀茂学園都市も雪で事故は多いそうだが、それ以上に危険な坂道を抱えている。
いっそ播磨自動車道を無料化して、姫路バイパスとつないではどうだろうか?