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2018年2月24日土曜日

ギター・マンドリンの音

今日(2/23)、久しぶりにギター・マンドリンの演奏を聴いた。
これは、私の勤める施設で合宿をして練習をしていた大学のクラブが、お礼にと職員のために演奏をしてくれたのである。
演奏曲は「浜辺の歌」だった。
この曲を聴いて、総務課の女性課長さんが逸話を聞かせてくれた。

課長さんがとある高校を離任する際に、吹奏楽部の生徒が課長さんのために演奏してくれたという。
それは、前もって先生が「どんな曲が好きですか」と聞いてくれていた。
課長さんは当時亡くしたばかりのお母さんが好きだったその「浜辺の歌」を答えたという。
事務方の課長さんは、学校の離任式には出られないので、3月31日にわざわざ吹奏楽部や、練習していたクラブの部員がこの曲で送ってくれた。
この曲を聴いて、課長さんは涙が止まらなかった。

今日、聴かせてもらった演奏は、偶然だがそういう一生忘れ得ない思い出を喚び戻すものだった。
寒い季節に、山の中の施設に籠もって練習を重ねた学生さんの優しい気持ちが伝わってきた。
私はかつて龍野実業高校でギターマンドリン部の副顧問をしたことがあった。
部員が集まらず、潰れかけていたが、音楽を愛する気持ちを持って何とか持ちこたえてがんばっていた。
この大学のクラブも一時より部員数は少ないそうだが、こうして維持できているのは、音楽に対する深い気持ちがあるからだと思う。

最近、貸しビデオで「オケ老人」を観て、考えさせられたのは、音楽は上手い下手では無くて、いかに心を通じ合える演奏ができるかと言うことだった。
当然、演奏が下手すぎても無理だが、優れているからといって、心が通じるとは限らない。
そして、課長さんの逸話では無いけれど、人生の深い思い出に結びついてくる。
私ももう一度日々の生活の中に、音楽を刻んでいきたいと思う。

帰って行く学生さんに「マンドリンの音は、この山の中に合っていたね」と声をかけた。
彼は笑顔で頷いた。




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