私は空調服を着ていったので、珍しがられた。
まだ、我が村で空調服を着て、農作業などをしているのは自分だけである。
その前日も、庭木の手入れを空調服を着ておこなった。
空調服によって、作業ははかどるし、疲れも軽減されている。
昨日の村座業でも、人によっては汗びっしょりだったが、自分はそれほどでもなかった。
確かに、空調服は値段が高いが、それに見合うだけの効果がある。
次の日にゆっくり休めない者にとっては、必需品でもあるのだ。
作業が終わってから、シャワーを浴びて、出かける準備をした。
猪名川でそばの花が咲いているというので、出かけようと思っていた。
いつもの龍野回りに道(姫上線)を走っていると、田んぼの中でそばの花が咲いている。
猪名川まで行かずとも、見られることは確かである。
しかし、ドライブを楽しんだ上で、美味しい十割そばを食べるのが目的なのである。
林田から、いつもの中国縦貫道路に並行して走る県道23号を東に向かった。
祭も近いので、道には色とりどりのシデ棒が立っている。
紙で作られたのは、ナイロン袋がかぶせてあるが、プラスティック製の物はそのまま立てて色鮮やかである。
これが立つと、播州の祭のシーズンという気持ちになる。
ただし、上郡にはまだこの文化は普及していない。
もともと、赤穂や上郡では使ってなかったし、龍野や福崎で使い始めたのは最近だと思う。
今回も心配したことが起こってしまった。
三田でルートを間違ってしまった。
スマホは自動車道に誘導していたのだが、それを無視するととんでもない山道に案内されてしまった。
テレビ番組の「ポツンと一軒家」で出てくるような山道を、対向車を警戒しながら進んだ。
何とか、三田から猪名川に抜ける道に辿り着いたが、肝を冷やす山道だった。
猪名川の道の駅はやはり混雑していて、離れた駐車場に車を停めた。
そば店では、人が店内で待っていたので、名前だけ書いてまずは買い物をした。
そして、店内に戻ってしばらくすると順番が回ってきた。
今回は私は五つ星そばを、家内はそば三昧を食べた。
椎茸が美味しかった。
そば本来の味を味わうのなら、盛り蕎麦やざる蕎麦だろうが、滅多に来ないので当地の産物も頂きたい。
しかし、どうも道沿いにそば畑はないらしく、ちょっとしたそば畑だけ見ることが出来た。
そして、篠山に向かう山の中の道を、車を走らせた。
この猪名川渓谷ラインはドライブやサイクリングでも人気らしく、けっこう車や自転車が往来した。
今回は、時間があまりなかったので、篠山町には寄らずに、社に向けて戻った。
今は、稲の穂が黄色く実り、刈り入れを待っている。
このあたりは酒米の産地で、酒のメーカーの幟も多く立っている。
畦には真っ赤な彼岸花が、絨毯のように咲いている。
社から加西にかけては広々として盆地が広がっていて壮観である。
毎年繰り返している、猪名川のそばを食べに行くドライブは、私たち夫婦の恒例行事である。
旅の景色と味わう猪名川の十割そばは、掛け替えのない元気の源である。
ただ、今回も三田からのルートを間違えたので、ちゃんと地図を確認しようと思った。
分かっていて進むのと、迷い込むのとでは大違いである。
新しいルートも探してみようと思う。