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2024年5月1日水曜日

地場産業の明暗と将来

 今回の補欠選挙の保守王国島根1区で自民が敗れた敗因特集が、色々とテレビや新聞で報道された。

その中で、二世議員が真剣に地元の産業を育成しなかったことが、大きく取り上げられていた。

二世議員は、地元に育って真剣に地元の将来を考える議員では無かったということだ。

昔なら鉄道、近年では道路や橋、トンネルを作れば、それでありがたいと思われていた。

この近辺では、新幹線の駅を作って貰った相生は、造船頼みの構造から脱却できず振るわない。

確かに西播のテクノポリスを作って貰って、近年では企業誘致も進んでいるのだが、地元で働いている人をあまり知らない。

住むのに良い環境だという赤穂も、臨海型関連工業も振るわず、塩業関係も発展していない。

唯一、龍野だけが、色々と産業を発展させている。


龍野は古くから、皮革や醸造、製麺で、地場産業をしっかり築いてきたところである。

確かに、そのことが身分格差の問題を抱えてきたり、地方自治でも色々と取り沙汰されたが、産業は力強く発展している。

私は龍野実業(現龍野北高校)と播磨特別支援学校に勤めていて、生徒の就職に関わっていたが、地元企業への就職希望も多かった。

特別支援学校では職業実習でお世話になったが、その一つがテレビで大々的に新製品を売り出していたりするのを目にする。

旧来の地場産業も時代に合わせて発展させ、新しい産業も興して行っている。

そして、インターチェンジ近くでは流通関連の企業も多くできているのだ。

同じように地場産業があった赤穂とは発展の度合いが違うのだ。


その背景に2005年の市町村合併の時に、たつの市として近隣を統合することができている。

赤穂、相生、上郡は話が持ち上がりながら、合併はできなかった。

赤穂は特に、駅前開発に絡んで、行政の混乱から県との関係を悪くして、病院や高校での困難を抱えてしまった。

そのあたりは、龍野が県と非常に太いパイプを維持していたのとは正反対だ。

相生は国会議員を出すほどの政治基盤がありながら、赤穂や上郡をリードできない。

上郡は赤穂に頼ろうとしたが、袖にされてしまい、独自の行政や政治基盤も脆弱なままである。

ただ、工場や産業廃棄物の処分場を誘致して雇用を確保するやり方は、これからの時代にはもう合っていないと思う。

残された自然を生かした栽培漁業や新しい農業、ゆっくり過ごせる滞在型観光など、地道に取り組んでいくべきだと私は思っている。

龍野が伝統産業を発展させたように、赤穂、相生、上郡は隣接する岡山県の備前市などと協力して、環境破綻、食糧危機を見据えた取り組みを考えるべきだと思う。

今年はウクライナ戦争の影響であろうか、小麦の栽培が多く見られる。

まずは、今の我々が地元で色んな分野で一粒の麦となる覚悟がいるのかもしれない

でも、安く買われて食べられて死ぬ麦より、播かれて苦労する麦の方が生きている証拠なのだと思う。

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