男が子育てに参加する哺乳類はあまりいないらしい。
ゴリラは雄でも子供の面倒を少し見るそうだが、基本一夫多妻である。
一夫一婦制で子育てをする類人猿はいないようだ。
男を子育てに巻き込んだのは、子供が未熟な状態で生まれるので、男の協力が必要だった。
それは、卵から幼鳥を育てるのに、つがいでの協力が必要だった鳥と同じだ。
そして、鳥は子どもが巣立つまでの子育て期間は短いが、人は非常に長い。
また、鳥以上に子育てが済んだ老人が子どもの面倒をみてくれたし、若い娘なども子育てを手伝った。
また、男は父親の立場以外におじさんとして、子育てに関わるのが普通だった。
要するに子育てがしやすいような暮らし方を鳥以上に、元来社会ができあがっていたのだ。
ところが、子育てよりも、金儲けが一番大切で、金こそが生活を保障してくれる社会になってしまった。
普通のサラリーマンは、子どもを育てて、維持すべき家業も無いし、老後の面倒を見て貰うこともできない。
要するに、サラリーマンは金儲けや老後のことを考えたら、今はお一人様の方が有利なのだ。
男女雇用機会均等法以降は、却って未婚率が増えたのは当たり前のことで、男の働き方が女にも要求されるようになった。
そして、男も面倒な家事に時間をとられるよりも、気楽な一人暮らしや親との暮らしを選んでいるようだ。
女が当たり前に金を稼ぐようになったら、当然家事や育児の分担は夫婦で必要だろう。
それを男がしないから、未婚や離婚が増えているというのだが、男にとって結婚しない方が自由で楽という前提が忘れられている。
事実、未婚男性の結婚しない理由の1位は、自由を奪われたくないということだった。
私の家内は専業主婦だったので、私は家事の手伝いはあまりしなかった。
家内がパートで働き始めても、家事を手伝うことは少ない。
その代わり、畑仕事をして暮らしを助けてきた。
それは自分の父親も同じようにしていたからだ。
田舎では女は畑仕事をし、男は田んぼ仕事をするのは当たり前なので、家内は畑仕事をしなくて済んでいるのだ。
男は農作業に加えて、賃労働に精を出し、女は家事以外に内職をしたりした。
因みに父は田んぼもしていたが、私はできないので、父のしていた畑の倍以上はしている。
子どもの面倒は母方の祖母が手伝いに来てくれていた。
つまり、昔の農家などのように男女が働かなくてはならなくなったのに、昔のように子育てを支援できる仕組みを失っているだけなのだ。
それに代わる仕組みを作らない限り、未婚率は上がるだろうし、出生率も減る一方だろう。
専業主婦とは、子育て支援が無くても子育てができるシステムで、子どもを大学に入れなくて済んだことや、高度経済成長期で景気が良いときにできただけなのだ。
経済状態が良くても女性が働きたいときは、欧米のようにベビーシッターを雇うしかない。
高給取りの甥っ子夫婦は、ベビーシッターを雇っているらしく、ベビーシッターの収入の良さを強調していた。
ということは、普通のサラリーマンの賃金ではベビーシッターなど雇えず、子どもを持つことは負担でしか無い。
高収入の人だけが子育てができる時代になったようだ。
一般サラリーマンは、働き手を増やすために主人から子育てを支援されていた奴隷以下の存在になったようだ・・・・
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