小田和正のこの番組は、だいぶまえに家内が楽しそうに見ていたので、自分も見始めた。
だから、最初から見ていたわけではないが、近年は欠かさず見ている。
先日はスキマスイッチの「スキマフェス」の収録番組に登場した姿を見たのだが、ずいぶん歳をとってしまった印象を受けた。
今回もこの最後の「クリスマスの約束」でもそれを強く感じ、この番組を最後にするのが分かる気がしたが、調べたら来年も全国ツアーをするという。
現在77歳の小田和正が全国を駆けめくるというのは驚きだし、テレビの印象からして身体は大丈夫なのか気になった。
小田和正の素晴らしい高音は健在で、プロの力を見せつけてくれている。
私は50歳頃までは歌えていた高音が絡んだ曲など、もう殆ど歌えない。
小田和正の「さよならは 言わない」をカラオケで歌うのに、現在はキーをB♭からFに3音くらい下げないとサビの部分が歌えない。
このごろは高音が出ないので、低音でも気持ちが伝わる歌い方に変えている。
この番組は多くのミュージシャンとコラボして、野外フェスを超えた魅力がある。
ミュージシャン同士だけで無く、観客も映し出されて、みんなで音楽を楽しんでいる雰囲気が良く伝わっている。
しかし、ここまで仕上げるのは並大抵のことではないようで、全国ツアーはできてもこの番組はできないのが納得できる。
小田和正の音楽に対する熱い思いが、20年以上の歴史を刻んできたのだと敬服する。
私はこのところ全く年末のNHKの紅白歌合戦を観なくなってしまった。
あまりにも混在した音楽嗜好が、まるで適当に具材をぶち込まれて不味い鍋のように感じているからだ。
その点でいけば、この番組はミュージシャンの持ち歌をみんなでハーモニーをつけたりして、別の美味しい味に仕上げてくれていた。
小田和正の曲の魅力は、自分の気持ちを投影できる歌詞とメロディーだと思う。
大分昔に、「言葉にできない」をテーマ曲にして、障害を持った子どもを亡くした親のドキュメントが放送された。
私は当時そのドキュメントを録画して、授業やLHRで生徒に見せ続けていた。
この歌は本来、恋愛の歌だったのだが、まだ幼い子どもを亡くした親の切ない気持ちを表現してくれていた。
音楽は映像や記憶と重なり合って、心に伝わってくれる。
私は「緑の街」や「さよならは 言わない」など多くの歌に、自分の過去を重ねてひとり歌ったりする。
小田和正が曲を作った背景とはかけ離れているとは思うが、その曲にはそれだけ心の奥にある情感を引き出せる魅力があるのだ。
私は小田和正の曲は、文化祭や忘年会のステージで歌うことは無かったが、教室で卒業前の最後の授業にギター一本で「言葉にできない」を歌ったことがある。
その生徒たちは、教師生活の中でも忘れられない担任した学年の生徒たちであったが、彼ら彼女らとの別れの切なさを伝えることができた。
小田和正の曲の多くはこれからも、ミュージシャンだけでなく多くの人に歌い継がれていくと思う。
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