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2012年5月20日日曜日

障害者スポーツ大会 2012/05/19(土)

私は現在特別支援学校に勤務しているので、学校以外の障害者のイベントに関わる機会もたまにある。
今年も兵庫県障害者のじぎくスポーツ大会が行われ、昨年度担任した生徒に水泳を指導した関係から、三木市の三木山総合公園屋内プールで開かれた水泳大会に引率していくことになった。
因みにこの時期には他の競技も違った会場で行われ、今週は水泳と卓球、来週は陸上競技、フライングディスク、ボーリングの個人競技、団体競技としてはバレーボール、バスケットボール、ソフトボール、サッカー、フットベースボールが行われる。
会場は三木市の総合防災公園が中心だが、神戸や明石に設定されている種目もある。水泳は知的障害者と身体障害者が合同で行うことになっていたが、今回は視力障害者も参加されていた。

私は元々水泳は趣味で始めたものが高じて、マスターズにも参加するようになり、一般高校の水泳部の顧問をするようにもなった。
学生時代は剣道をかじった程度で、水泳の指導に関しては全くの素人であった。兵庫県は市川高校、報徳学園、須磨学園など全国的にも名前の知れわったった強豪高校があって、オリンピック選手などを輩出していた。
(ただ、水泳は市川高校を除いて、冬場に温水プールで練習できないこともあって、トップ選手は殆どスイミングクラブチームで主に練習している。普通のクラブでも冬場だけ温水プールを利用させて貰うケースが殆どであり、私も生徒を温水プールに引率するのが、大きな負担であった)。
私の住む上郡では市川高校水泳部のOBが、かつては町民プールで水泳の指導を行ってくれており、特にマスターズでは芦田コーチというマスターズの指導経験が長い方に教わって大変勉強になった。

私は三木市の地理が不案内で道を間違えて、受付の9時を過ぎてから会場に入ったので、既にウォーミングアップが始まっており、二階のギャラリーも満員であった。
知的障害者の水泳指導は、西播磨特別支援学校が屋内温水プールに隣接してあるので非常に盛んで、光都スポーツクラブというスイミングクラブチームもあり、どちらも熱心な指導者がついて国体選手送り出すほどのレベルであった。
今回もその選手や保護者の方が大勢来られており、ギャラリーの一角はその人達で一杯であった。他は個人参加が多く、リレーチームを出したのは6団体であった。
私は一般の水泳大会へは何度も生徒を引率して参加して、大会運営の係をしてきたのだが、障害者の大会へは昨年初めて参加し、昨年は応援のみで今回は初めて引率となった。
大会の運営は地元や水泳連盟の方が行ってくれており、係を務める必要がなかった。原則生徒の場合は保護者が責任を持って参加する形になっているので(それで参加しづらい生徒もいる)、引率教師は応援や補助程度である。
私が指導していた生徒は中学校から水泳部に所属しており、健常者に混じってレースにも参加していた。
個人的にその中学校の水泳部顧問を知っていたこともあって、その卒業生の生徒を個人的に指導した。それは学校には水泳に関するクラブも同好会もなかったからである。

この生徒は昨年はいきなりこの大会に参加して、50m自由形の少年の部で2位になったが、1位とは10秒近くの差があった。
今回は昨年の夏休みに私と泳ぎ込んだこともあったので、100m自由形に参加したが、やはり、高校生ではないが、少年の部にはすごい選手がいて、20秒近くの差を付けられての2位だった。因みに1位は1分2秒、うちの生徒は1分22秒であった。
普通の高校生選手の記録と比較すればそれ程のタイムではないが、知的障害者の選手のタイムは素人のスイマーにはかなわない。

一方、身体障害者の泳ぎもすばらしく、その障害によっては知的障害者とは変わらない。また、麻痺の強い人の泳ぎも心を動かせるものがある。
以前私が肢体不自由の特別支援学校(当時は養護学校)で担任していた選手も参加していたが、気の毒なのはたった一人で50m背泳を泳がなくてはならなかったことである(障害の内容でレースの組が違うから)。
彼は国体に参加したことがあって経験豊富とはいえ、もっと競技者が増えて一人で泳がなくて済むようになって欲しいと思う。

一般では学校の水泳大会とスイミングクラブチームの水泳大会が別々に行われているが、学校の選手もスイミングクラブチームの大会への参加は可能である。
その運営は水泳連盟が中心に行っている。それに対して、知的障害者の水泳はスペシャルオリンピックスとこののじぎくスポーツ大会は全く別の組織で運営されており、スペシャルオリンピックスの選手はこの大会に参加しているが、逆はない。
学校でクラブチームが殆ど無いので、スペシャルオリンピックスチームの参加者の方が多いと思うが、今後両者の交流がもっとなされれば良いように思う。
身体障害者の保護者の知り合いにたまたま会ったが、現在中学生なので、その方が指導しているが、今後高校で続けていくのが悩みの種のようだった。

一般に比べてまだまだ規模も小さく、盛り上がりもそう高くはないのだが、勝ち負けやタイムにそう拘りを持たず、和気藹々と参加できる手作りの雰囲気はすばらしいと思う。
日頃練習した成果はなかなか発揮できる場所が障害者にはないので、小学生からご老人まで参加できるこの大会をもっと広めていって欲しいと思った。
是非、障害者と関わりのない方でも、実際に会場に来て頂ければ、テレビで放映される障害者のスポーツ大会の雰囲気とは違ったところも感じて頂けると思う。

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