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2017年12月22日金曜日

午後の図書館

私は中学生くらいからよく赤穂の図書館を利用した。
今の大きな図書館ができる前は、市民会館の隣の小さな図書館だった。
学習室でテスト勉強をするまねをして、よく友達と喋ったりしていた。
大学受験前や浪人中、教員採用試験前には旧図書館に通っていた。
10年ほど前は、長期研修で大学院に通っていたので、その論文作成のために新図書館に通った。
最近は本は県立図書館から取り寄せて借りるので、上郡の図書室を利用することが多く、滅多に行かなかった。

先日の日曜は一人で時間をつぶすことになり、赤穂にとりあえず出かけた。
ぶらっと、リサイクルショップで品物を眺めたり、赤穂港に行って海を眺めた。
身内に不幸があったばかりで、滅入った気持ちは晴れることは無かった。
それで気が晴れそうな健康雑誌でも読もうと思い、図書館へ行った。
雑誌コーナーで一人で雑誌を読んでいると、目の前に教え子のKが座った。
「わたし おぼえとる?」
彼女のことは忘れるはずは無い。
赤穂高校でKが2年生の時に担任したすごく元気だった生徒である。
卒業後も駅で立ち番をしている時に、大きな声で手を振って挨拶をしてくれた。
Kは医療系の専門学校に家から通っていて、試験勉強のために図書館に来ていた。
高校時代では図書館で会うことはあり得ない生徒だった。

彼女と話している内に、滅入っていた気持ちが晴れてきた。
勉強の邪魔にならないように、長話はしなかったがちょっとした会話が楽しかった。
教え子に気楽に声をかけてもらい、当時と同じような教師と生徒の関係で話をする。
Kも相変わらずの語り口だし、私も「おまえ」という二人称を使って話をしていた。
同窓会など特別な行事ではなくて、こうした普段出会える場で話ができるのが良い。
本当は図書館は会話する場所では無いけれど、ゆっくりした時間を過ごす場なので、互いの時間を気にしなくて良い。
そういえば、学生時代は図書館へ来たのに、近くの喫茶店で駄弁っていた時間の方が長かった。

教え子の中には、手紙で博物館の招待券を送ってくれた生徒もいる。
ちょうど私が研究していた沖縄に関するものなので、非常に役に立った。
遠くに居ても覚えていてくれて、このブログを読んで気を遣ってくれる生徒もいることも嬉しい。
退職した後は、関わる人との範囲が狭まって、内向きの気持ちになりがちだ。
この12月からは新しい職場に通い始めたが、慣れない仕事でストレスもたまっていた。
図書館いれば教え子に、会えるかもしれないし、知り合いに会えるかもしれない。
受験前の自分に戻ったみたいだ・・・


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