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2019年12月22日日曜日

十二指腸潰瘍

先日ふと話の中で、十二指腸潰瘍の話が出た。
長い間忘れていたが、以前かかっていた持病である。
私がなったのは大学院時代で、修士論文を書いている時であった。
胃腸が弱っているのに、辛い唐辛子などを食べたのが原因だったようにも思う。
当時の痛みは相当なもので、どんな姿勢をしても痛みが治まらなかった。
我慢しきれないで医者に診てもらったら、入院するように言われた。
当然、論文を書いている最中に入院するわけには行かない。
薬を飲んで何とか我慢したことを憶えている。

私と話をした人は、中学校の時にかかったそうだ。
十二指腸潰瘍は空腹時に痛みを感じるのが特徴だ。
その人は当時は一日7回も食事をしたそうだ。
私は教職について二校目の学校で、ストレスなどから胃腸の調子が悪くなり、医者の友人に診てもらった。
私は十二指腸潰瘍のことはすっかり忘れていたのだが、バリウムを飲んで調べたらその痕跡が見つかった。
友人の医者言うには、十二指腸潰瘍は完治はしない、ただ、粘膜で傷跡を保護するだけだという。
つまり、再び痛くなったのは、その粘膜の保護がちゃんと出来なかったからだ。
この十二指腸潰瘍の恐ろしさについては、当時はよく分かっていなかった。
次に赴任した学校で、同僚のお父さんが十二指腸潰瘍で亡くなって初めて知った。
痛みを我慢して、十二指腸から多量失血したということだった。

今は良い薬が出来て、この病気は恐いものでは無くなっていると聞く。
しかし、一度傷ついた腸は二度と元には戻らない。
私の場合は大学院時代の苦しみが、身体に刻まれ続けられると言うことだ。
話を聞いていると、私の年代の男性は、胃腸にポリープや潰瘍痕を抱えている人も少なからずいる。
肉体労働が主であった以前は身体の見える部分に傷が残っていた。
デスクワークの多い仕事は、身体の見えない部分に傷が残っているようだ。
そして、レントゲンにも移らないのは心の傷だろう。
ただ、このよう内なる傷は完治でき無くても、保護は出来るようだ。
自分を労ると言うことは、自分で自分を保護してやることのようだ。






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