今年は、酷暑に雨不足で、夏物野菜は早々と駄目になった。
そんな中で、元気なのはオクラだけと以前書いたが、実は落花生、黒大豆、サツマイモなども何とか枯れずに残っていた。
落花生をまず最初に少し掘ってみたが、まだ大きく育っていなかった。
おそらく。水が不足して実が大きくならなかったのだろうが、小さいのがいっぱいついていたので、他のはしばらく置いておくことにした。
次に、サツマイモ(シルクスイート)を掘ったが、元気が無いので最近水をやってきた甲斐もあったのか、芋はそこそこできていた。
黒大豆も枝豆として食べようと一株刈り取ってみたが、やはり水不足なのか実は太っていなかった。
私は、黒マルチ(地面の覆い)を使わず、草マルチでやったが、しっかりとマルチングができていなかったので、草がかなり生えてきて、それを刈ったり抜いたりが大変だった。
草マルチを用いる自然農法というのは、そんなに容易いものではないことを思い知らされた。
ただ、苦労の甲斐あって、草と一緒ではあるが、元気に育ってくれて一安心した。
このところ、気温も下がって、雨も降り出したので、これからもっと太ってくれると思う。
一方、期待を込めて育てた高黍(コーリャン)は実が殆ど入っていない。
干魃に強いとされるのだが、枯れない代わりに実が殆ど太らなかったので実験的に秋植えの高黍を育てている
周りの稲は元気に育って、今収穫を迎えている。
やはり、水田はこういう日照りや高温に耐えられる優れものだと思い知った。
ちゃんと、川からの水を絶やさず、万一のための貯水池も作ってある。
こんな、破綻気象でも水稲だけは問題なく育っていたのだ。
日照りに不作なしというのは、こういうことであり、むしろ冷害の方が稲には悪いことが実感して分かった。
以前には、温暖化の時代は、稲よりも芋の方が適していると言われていたように思うが、里芋などは暑さで葉が枯れてしまった。
いくら、水があっても暑さにあの広い葉っぱは持たないようだ。
そういえば、池の蓮もずいぶん枯れていたのが、このところ涼しくなって復活してきた。
広い葉を持つ植物はどうも高温に弱いようで、考えてみれば熱い乾燥地帯で育つのは葉のないサボテンだった。
一番早くに駄目になったのはキュウリだったことを考えても、大きな葉を持つ作物は日照りと高温に気をつけねばならない。
これからは暑さ対策の寒冷紗が必需品となるだろう。
私は酷暑の時代で稲に代わる作物を考えたが、今年に関しては稲が一番耐えられる作物であることが分かった。
メタンガスを多く出す水田から乾田で栽培することも考えているようだが、水田だからこそ高温に耐えられたように思う。
ただ、西日本は台風による風水害をあまり受けなかったことも今年は幸いしている。
台風の常襲地帯の琉球諸島や南九州では、稲よりもサツマイモなどの方が適していることも事実である。
私自身は、現代の機械化された稲作に取り組むの二の足を踏んでいるのだが、資金面もさることながら安全面でも不安を抱えている。
今朝の朝日新聞の記事に、農家の事故の多さは、他の産業の10倍だと書いてあった。
一番の原因は高齢化とされるが、機械化されてなければ、起きない事故ばかりだ。
土木建築現場で、機械化されてそれを担うのは決して高齢者だけではないことを考えれば、いかに今の機械化農業が問題を抱えているか分かる。
現在は稲ばかりでなく、商品作物の殆どが機械化されてきているのだから、高齢者ばかりに頼らない人材確保が急がれる。
政府は時給を上げて臨時職員の生活を安定させようとしているが、時給が上がったらますます、農業は機械に追いまくられるだろう。
大型野菜農家で働いた年配の人から聞いたのだが、機械に併せて作業するのはかなり厳しいものだそうで、二度と働きたくないと言っていた。
テレビのニュースや特集では子どもたちののんびりした農業体験が流されているが、収益を上げるための機械化農業のことも知っておく必要があるだろう。
今回の米騒動から対策すべきことは多くあるのに、政治家は政策よりも選挙対策でまともに機能していない。
都市に住む人はせめて関心を持って、農家を支援する世論を作り上げて欲しいと思う。
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