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2026年10月18日日曜日

悩ましい寝台列車瑞風の旅

 テレビでTEILIGHT EXPRESS瑞風が紹介されるたびに、家内と観ながら一緒に乗ってみたいねといい合う。

しかし、最後はかかる費用にため息が出ておしまい。

実は亡くなった家内の母はこういう列車に生前に乗りたいと言っていたそうだ。

亡くなった時の貯金を思えば乗れないわけでは無かったと思う。

年金暮らしだった義母は病気になったら病院で個室に入りたいからと言って、義父に先立たれた後も無駄なお金を使わずに貯金していた。

結句、入院しても個室には入らないまま、多く残った貯金は全部遠くで暮らしていた息子の財産となった。


今考えれば、家内に一緒に乗ってあげるように言えば良かったと思うのだが、おそらく義母のことだから頑として断ったと思う。

本来なら義父が元気な時に夫婦で乗ることが出来れば良かったのだろうと思う。

でも、自分たち夫婦自身、二人でこんな大金を数日で使う勇気が無い。

希望者が多くてなかなかチケットが取れないことを考えると、それができる人が多くいることも確かなのだろうと思う。

私自身は老後のことを考えずに元気なうちに無理をしてでも、一時の幸せを味わうことは悪くないとは思っている。

老後の不安でお金を貯め込んで置くよりも、自由に動けるうちに幸せを感じられるのなら、それは決して無駄なお金では無いと思う。

だけど、実際に乗る勇気を出すきっかけが、今は見つからない。


一方、私は若い頃に恋人や友だちとの楽しい列車や船の旅を経験している。

鈍行列車であったり、二段ベッドの寝台列車、二等船室であっても、好きな人や仲の良い友だちと過ごせればどんなに楽しいか知っている。

若い頃は瑞風のような列車に乗らなくても、充分に悦びを感じることが出来た。

そのことを言うと、家内は黙っていたが、家内自身は友だちとのリッチな旅の経験があったので幾分分かっていたはずだ。

家内と私の違いは、私は貧乏旅行だったが、家内はしっかりとアルバイトして貯金をした高額のお金をつぎ込んでいた。

家内は私がしてきたような、極力費用を削った旅行の経験は無い。

一方の私は家内との新婚旅行で初めて飛行機に乗って海外に出かけて一流のホテルに泊まる経験をした。

ただ、教師になってからは修学旅行などで、それなりのホテルに宿泊することがあったが、それはあくまで仕事としてであった。

仕事抜きの豪華な旅行はほとんど経験が無かったけど、子どもが出来てからの家族・親戚旅行を含めて、細やかながら楽しく過ごす経験は夫婦ともあるにはある。

子どもと一緒なら、豪華な旅行で無くても楽しく過ごせたこともよく知っている。

その子どもも大きくなって、しかも孫はいないので娘夫婦と一緒に旅行に出かけることもない。


今は出かけるのは家内と二人だけのことが多く、日帰りで展覧会や催しに遠くて京都あたりまで出かけることが年に数回ある程度だ。

私は学生時代から手作りの旅行を楽しんできたのだが、家内は枕が変わると眠られない性格なので、無理のある旅行を計画することはできない。

だから、旅行会社の海外旅行や、寝台列車瑞風でのツアーが良いとは思っている。

旅慣れた者にとっては、無駄なお金のように思えても、旅慣れていない人を旅行に誘うのはそういう旅なのだろうと思う。

先日も、たまたま踏切で瑞風がゆっくりと上郡駅の方に向かっているのに出会った。

中に乗っている人は、どんな気持ちでこの田園風景を見ているのだろうと思いつつ、平日の昼間に紛れ込んできた夢の姿に見とれていた。

学生時代は青春18切符で、たった一日2000円ほどで楽しめた旅行だが、今は夫婦二人で楽しむにはその何十倍もの費用が必要なのだと分かってはいる。

若さとはそういう悦びをたやすく手に入れられることであり、歳をとるとそれに似た悦びを得るには大きな金銭的負担が必要ということを自分に納得させるのが悩ましい。














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