去年までは2mほどまで高くなるソルガム(タカキビ、コーリャン)を栽培していた。
栽培し始めてまだ三年目だが、初年度は風で倒れたりしながらも、何とか収穫できてご飯に混ぜて食べきった。
二年目は途中で鳥に食べられたり、高温障害で実がならなくて、殆ど食べられなかった。
今年から矮性の種に換えて栽培して、やっと収穫しながら食べ始めた。
ソルガム一斉には熟さないので、順次採り入れて乾燥させながら食べていく。
矮性に変えたのは何よりも、背の高いソルガムは風に弱いので、しっかり土寄せなどをしたりする必要がある。
それに対して、矮性は風に強くて土寄せもせずに済んでいる。
一部は苗を作ってから移植したが、買った種も多くあったので適当に空いた畦付近に撒いておくとちゃんと生長してくれた。
本来は間引きする必要があるのだが、それも面倒だったので放って置いたが、問題なく大きくなった。
今年は異常に雨が少なくて水やりが欠かせなかったが、オクラやサツマイモなどに比べて大して水はやらなかったがしっかりと実ってくれた。
一番助かったのは、鳥除けが簡単だったことだ。
去年は鳥が多く寄ってきてついばむので、鳥除けの黒いテグスを張り巡らした。
畑の隅々に竹の竿を立てて、脚立に上って作業するのは大変な仕事になった。
そして、そのテグスは直ぐに切れて垂れ下がり、草刈り機の刃に絡みついて回らなくなってしまったこともあった。
鳥除けにはそれなりに効果はあったが、その弊害も大きかったので今年はやらなかった。
何よりもこの矮性ソルガムは穂の高さが1m50cm程なので、寒冷紗を上に覆うだけで穂を包み込むことができた。
支え木も立てずに、直接穂の茎にクリップで寒冷紗を固定するだけで済んでいる。
収穫も穂が低い位置なので簡単で、実もしっかり付いているものが多い。
やはり高温障害のせいか、全く身が入っていないものもあるが、以前の高い丈のソルガムより実の数は多いと思う。
むしろ、手間なのは脱穀で以前の物は手でしごいただけで簡単に実は落ちた。
しかし、たわわに実った穂から実は簡単に落ちない。
そして、籾すりのつもりで精米機にかけたら、粉になってしまうものも有った。
高い丈のソルガムではそういうことは無かった。
そこで足踏み脱穀機を使って脱穀したが、少し殻ごと固まりもできたので精米機で脱穀した。
まだ、収穫していないものが多く残っているのに、三リットルほどの収穫があった。
粉はニョッキに混ぜて食べたし、実も雑穀米に混ぜて普通に食べられた。
今後は粉にしてまさしくキビ団子を作ったりしても美味しく食べられそうだ。
何よりも芋類に比べて保存が楽で嵩張らない優れものだ。
原産国のアフリカでは色んな食べ方がなされているようだし、栄養価も高い。
あまり知られていないようだが、グレイン・ソルガムはアメリカなどで多く栽培されて家畜の飼料としてとか、製粉されて輸出、エタノールへの加工がなされているようだ。
日本では緑肥として利用が多いようだが、長野県を中心として食材としての利用が促進されている。
高温や乾燥、病気、虫害に強いソルガムこそ、これからは日本でもっと栽培して利用するべきだと思う。
稲と違って手作業で簡単にできて、農薬を全く使わなくても栽培できてるので、家庭菜園でも簡単にできる。
矮性のソルガムには今回は肥料も入れていないが、今後は有機肥料や有機石灰は今後施した方が良さそうだ。
矮性ソルガムは背が低いの他の作物の生長を阻害しないどころか、今年のような日照りが続くときには強い日差しから守ってくれたりする。
来年は日照りに弱い作物の間に植えてみようと思っている。
他にもエタノールとしてや茎や葉を乾燥させて燃料としてバイオエネルギーにもなる。
グルテンフリーだし、ポリフェノールや食物繊維が多いので健康にも優れた効果があるという。
こねると粘りが出てくるので、ひき肉に混ぜて使うこともなされているようだ。
かつては日本でも良く食されていたのが、米一辺倒になってしまって価値を失ってしまった。
しかし、温暖化が加速して破滅的な気候となっていく将来には欠かせない作物になると思われる。
私は夏場ではこの矮性ソルガムとサツマイモを食糧確保のための主力にしたいと思っている。