江戸時代の春画を始め、男女の性描写は人々の心を捉え続けてきた。
絵画が写真となり、そしてビデオとなったのだが、それとは格段の違いとなったのがインターネットの配信だった。
今回も次の書籍を元に考えてみる。
『もっと!―愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学』 ダニエル・Z・リーハーマン、マイケル・E・ロング 梅田智世訳 2020(2018 THE MOLECULE OF MORE How a Single Chemical in Your Brain Drives Love, Sex, and Creativity and Will Determine the Fate of the Iluman Race) 合同出版 (以降[D・Z・リーハーマン&M・E・ロング2020(2018)]と記す。)
この書では安易にネットでポルノビデオにアクセスできるようになって、ポルノ依存症が増加していることを指摘している。
衝動的なポルノ鑑賞が常習性薬物と厳密に同じだという確証はまだないが、共通する点はいくつかある。常習性薬物の場合と同じく、過剰なポルノ消費のサイクルに陥ってしまった人は、日ごとにその活動に長い時間を費やすようになる。ときには毎日数時間になることもある。アダルトサイトに集中したいがために、ほかの活動を避けるようになる。パートナーとの性的関係の頻度が減り、満足度も低くなる傾向がある。ある若い男性は、デートするのを完全にやめてしまった。現実の女性とデートするよりもポルノを見ているほうがいい、写真のなかの女性は何も要求しないし、絶対にノーと言わないから、というのが彼の言いぶんだ。[D・Z・リーハーマン&M・E・ロング2020(2018):85]
ドーパミンによって常に新しく刺激のあるポルノビデオを求めるようになる。
この生殖と関連するドーパミン作用は薬物などの習慣の有無の問題で無く、生存そのものに関する重要なことだ。
それが薬物と同じような依存性を伴ってしまう。
この頃はポルノビデオだけで無く、以前はオナニーとかマスターベーションと言われていたのが、セルフプレジャーと言う表現で市民権を得てきている。
そして、それに関するグッズが多く販売されて、若者だけで無く高齢者も愛用されているようだ。
ポルノビデオは場合によって、男女間のセックスの役に立って、それが妊娠に繋がる可能性もある。
しかし、セックスができなかったり、面倒になった者にとっては、セルフプレジャーだけに利用するもので、妊娠とは結びつかない。
もう子育てが済んで望めない高齢者はともかく、若者の多くがそういうことになれば、ますます少子化が進んでしまう。
本来はドーパミンと関わるセックスが、妊娠出産によって子どもを育てる幸福感のオキシトシンに繋がるべきなのだ。
ただ、ネット上のポルノビデオだけに責任を負わせて規制を厳しくしても解決にはならないだろう。
これからは男女だけにかかわらず多様な性関係が認められるようになる。
その選択肢の中で、子育てを望むような環境作りが重要なのだと思う。
子育てを通して得られた幸福感(著者はヒア&ナウ(H&N)」と呼ぶ神経伝達物質による)が、子育て期間を過ぎても得られていたのが家族や親族だったと思う。
その家族・親族が行きすぎた資本主義社会の犠牲になって解体されて、幸福感を得る場所を失ってしまった。
だから、むうしろポルノ依存症は少子化の原因では無くて、代償とも言える。
つまり、政府や企業は子育てとその後の家族・親族を通して得られる幸福感を支援できる仕組みを作らねば少子化対策にはならない。
そもそも非正規雇用を多く生む政策を行い格差社会を助長して、結婚もできない男女を多く作った自民党・公明党の政権に根本的な原因もあるとも思える。
近年は男性の育児休暇や、時間外労働時間の規制を進めているが、外国人を含めて非正規雇用の人々を犠牲にしたやり方なら、根本的解決にはならないだろう。
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