夏休みに入って水泳は自分の都合の良い時間でできなくなった。
どうしても1コースを独占的に使いたいので、一般利用者の少ない時間となる。
夏休み前は上郡においては午後2時半から4時であり、相生では午後1時から3時半であった。
それが夏休みに入ると、小中学生の午後からの利用が増えて上郡では午前11半から午後1時、相生では午前11時から12時半までということになっていた。
つまり、水泳した後で昼食を摂り、その後に昼寝をしないと何もできなくなってしまった。
暑い時間帯で水泳をして、その後夕食にするという週三日の水泳スケジュールができなくなってしまった。
それによって血糖値が下がって、糖尿病の治療にも役だって医者からも褒めてもらっていた。
そもそも、血糖値を落とすなら食後の運動の方が適しているのだが、その時間帯で泳ぐと混雑して思うように泳げずかえってストレスになってしまう。
だから、糖尿病対策としてよりも、快適に泳いで泳力や体力向上に努めた。
以前も書いたように、フロート以外にフィン(足ひれ)、競泳用シュノーケル、防水イヤホン、鼻栓が練習の必需品となっている。
ただ、防水イヤホンは必需品では無くて、有った方が楽しく泳げるという物だ。
なにせ、シュノーケルでプールの底しか見ていないので、音楽を聴いていることで気が紛れる。
フィンもしばらくして足首が痛くなったが、伸ばして蹴ることから曲げながら蹴ることで改善することができた。
鼻栓を付けてのバサロも、いまだに鼻が痛くなることもあるが、かなりできるようになってきた。
苦手な平泳ぎはフィンを使わないが、シュノーケルで足のけりや手のかきの練習に注意を集中してできて、幾分速くなった。
専門のバタフライだが、フィンのお陰で腕の負担が軽減できているので、かなり楽にゆったりとしかも速く泳げている。
以前は50mは、せいぜい一回しか泳げなかったが、二回続けて泳げるようになり、個人メドレーの練習も100mを200mにした。
これからは、バタフライも50mで練習を組みたていき、100mも泳げるようにしたいと思う。
そこまでできるようになって、10年前の自分に戻ることができるのだ。
そうは言っても一番元気だった頃は、フリーの50mは50秒で回せていたし、100mも2分サークルで10本はこなせていた。
何よりもダッシュが遅くなってしまっていて、50mフリーを30秒台でまだ泳げていない。
かつて選手だった経験者から観れば、自慢できるような練習内容やタイムでは無いのだろうが、去年まで医者に通い詰めだった自分としては上出来である。
そして、何よりも私が意識するのは、近くのコースで泳いでいるスクールのスイマー達で、特に選手コースは意識する。
小中学生程度ならフィンを付ければ選手と同じようなサークルタイムの練習できるのだ。
また、コーチや監視員に一目置かれるのも嬉しい。
去年までは老いぼれていく自分を悲観的に思っていたが、気持ちもずいぶん若返った。
それは、少しヘコんだお腹と、逞しくなった上腕筋、たるみが減って厚くなった胸筋が自信となっているのだ。
その若さを誇示するために、白髪の頭でありながらノースリーブのシャツで外出している。
今時、マッチョな身体は女性にはもてないので、むしろ男性の方の目を意識している。
それは変な意味では無くて、男性は体型で普段の身体使いを推測できるからだ。
ひ弱そうな手足だったり、締まりのない肥満は運動不足が想像できるし、食事管理もできていないように思える。
その点では、自信が少し出て若さも取り戻していると思える。
こういう取り組みは実は、毎日の農作業に生きているし、読書や執筆で座りぱなしになるのを防いで、持病の治療や他の病気の予防に役立ててもいる。