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2025年11月25日火曜日

部活動の民間移行と残業手当

 教師は基本給の4%を教職調整額としてもらって、残業代は出なかった。

これがいわゆる「定額働かせ放題」と言われ続けている原因で、今のサブスクブームを先取りしていた。

私がかつて教師の時に勤務時間外で最も多く費やしたのは、クラブ活動であった。

ただ、幸いなことに自分がやりたい水泳部の顧問をやらせて貰っていた時は、それほど負担には感じなかった。

そばで見ていて負担に見えたのは、やはり教師が経験したことの無いスポーツや音楽に関する顧問を任されているときだった。

特に野球部は正月以外は年中無休という感じだったので、経験者以外にはなり手が無いのだが、顧問の人数が必要で未経験者もならされていた。

特にいきなり臨時常勤講師が顧問をやらされて、本人も嫌がってサボるし、他の顧問もそれを怒っていたケースもあった。


実は水泳に関しては、スイミングスクールに依存している学校が多い。

温水プールなどないので、冬場に練習できないと全国レベルどころか県大会レベルの選手を育てることはできない。

だから冬場はスイミングに通っていない部員は温水プールに引率したりしていた。

兵庫県で学校だけで練習していたのは、当時は市川高校ぐらいだった。

最近はサッカーもプロサッカーチームの下部組織の所属選手が活躍している。

野球に関しては相変わらず学校に依存している場合が多いが、小学校中学校では学校以外の野球チームで育った人もいる。

私は以前に中国の北京に修学旅行で生徒の引率を行なって、地元の高校と交流を持って驚いたことがある。

中国ではスポーツ選手を育てるのは学校が担っていなかった。

だから、卓球などもその高校では遊び程度のレベルの生徒しかいなかった。


実は私は中学高校と私立であって、そこで中学部では剣道部に入っていたが、部活動には殆ど教師は顔を出さなかった。

当時は部活動どころか地方大会でも顧問は引率してきていなかった。

部活動は週に三日以内と規定があったが、早朝に来て勝手に個人で練習するクラブもあった。

それでも夏休みは校内合宿を顧問なしで行っていたりした。

よく練習に指導できてくれていたのは、商店街の店主だった。

サッカーは強かったので顧問も力を入れていたようだが、全国に出場していたテニス部も大して顧問は練習に関わっていなかったように思う。

陸上に関しても全国大会に出たり、県大会で入賞する選手がいたが、まともに指導できる顧問がいなくて、他の公立高校へ行って練習したりしたようだ。

野球に関してはマスコミに取り上げられるせいもあって、顧問はそこそこ練習でも指導していたように思う。


私が中学高校の時代は50年ほど前は、顧問がそれほど指導しなくても部活動は成り立っていたし全国大会にも出場できていた。

それが私が教師に採用される頃は、部活動の経験が無かったり、指導ができないと公立校の教師には採用されないという風に言われていた。

当時は学校が荒れており、部活動を通して生徒指導、生活指導をしていくことが一番効果的に思えたからだと思う。

実際に、高校の野球部の顧問は練習を毎日していないと、問題行動を起こすからしていると言っている人もいた。

公立高校では学校行事や生徒会活動では部活動を行っている部員が中心となって働いてくれていたので欠かせない人材だった。

生徒会自体も部活動と同じ雰囲気であったところもある。

そして、その部活動が教師の大きな重荷となっていた。

結局学校の放課後の時間を会議や事務以外にも部活動に時間をとられて、教材研究などを学校で時間外におこなったり、自宅に持って帰ってすることになるからだ。


サッカーにしても水泳にしても一流選手は校外で育てられることが多くなった。

それでも相変わらず学校に依存しているのが高校野球である。

野球部を維持するのは人材においても、生徒会予算に関しても非常に負担を強いられる。

しかし、新聞などのマスコミは地方大会レベルから選手の名前や様子を記事にしてくれる。

学校の良い宣伝になるし、選手の励みになって部員になる希望者も増える。

高校野球での最高の舞台の甲子園出場は学校に大きな名誉と人気をもたらせてくれる。

そしてそれがその高校の就職や進学に役に立ているということで、特に高校で部活動を盛んにしているのだろうと思う。

実際に大谷翔平選手や山も由伸選手は高校までは民間のクラブチームで育てられて、高校から学校で指導を受けている。


部活動が現在において学校において重要で有り、民間移行できないのであれば、その負担によって生じる時間外勤務に対して正当な残業代を支払うべきだろう。

あたかも朝早く来て時間外の仕事をすることを自慢げに語る教師もいるが、それはそれが無理な教師に対する当てつけ行為になってしまう。

ちゃんと時間外手当をもらっていれば、当てつけ行為には受け取られないだろう。

進学校ではスポーツ以外で進学実績が確立されているので、かつて顧問の負担はあまりなかったがそれが大変な事故にも繋がった。

文武両道とうたう進学校も多いと思うので、やはり進学校でも残業代の適用が必要だろう。

これからは「定額働かせ放題」の仕組みを手当率の引き上げのように改悪するのでは無く、民間移行にするか、きちっとした残業代を支払う仕組みにするべきだと思う。

このままではますます教師のなり手がいなくなる。




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