最初は犬と一緒に走っていた。
しかし、自分のペースで走れないのでつらい。
そこで、自転車を使って運動させることを思いついた。
というのも、うちの愚犬クロは明らかに体力を持て余しているからだ。
最初用いたのはママチャリ。
ハンドルの部分に付けると前カゴが邪魔になるし、オフロードに弱い。
そこで、MTBを用いることにした。
オフロードでもいけるが、坂道の下りはブレーキを掛けっぱなし。
たちまちブレーキはすり減って効かなくなった。
効きの悪いブレーキで不意に前を横切るので転けそうになった。
そこで子供が使っていたキックスケーターを用いた。
オフロードでは無理だが、運動にもなるし楽しい。
ある朝、犬に引いてもらって、近くの山の麓まで出かけて気持ちよく朝の運動をしていた。
キックスケーターのハンドルにリードを付けてまさしく犬ぞりである。
緩やかな坂道を降りていた時に、急にクロが立ち止まった。
キックスケーターから私は投げ出されて転倒してしまった。
起き上がる私を見るなり、クロはキックスケーターを引いたまま逃げ出した。
カラカラとスケーターが引き摺られる音が谷間にこだまする。
必死で追いかけた。
当然追いつかない。
クロは脱兎のごとく、来た道を引き返す。
心配なのは国道である。
そこは上手く車がいなくて、横切れた。
こちらは全速力は止めてジョギングに切り替える。
田んぼに逃げていけば、きっとスケーターが引っかかると思ったからだ。
案の定、田んぼに逃げ込もうとして、スケーターが溝に引っかかっていた。
その後はしっかり反省してもらい、朝食抜きで一日静かだった。
このことでクロへの信頼は大きく失ったが、逃げ出した先が大好きな山では無く、家の方向だったのが慰めだった。
元野良犬も我が家が一番良いらしい。
そのこと以来、キックスケーターは諦めた。
ネットで色々調べたら、自転車を犬にひかせるギグレースなるものもあるという。
それなりの自転車に道具は必要なのだが、MTBを整備して使うことにした。
ブレーキの遊びを少なくしたので、直ぐに止まれるようになった。
ハンドルにつなぐ位置も工夫して、リードしやすくした。
相変わらず人や犬に過剰反応するので、その時にはじっと待たせることが大変なことに変わりは無い。
それでも歩く時より短時間でかなりの距離を進むことが出来る。
引っ張ってもらう時間も多く楽だが、こちらは少し運動不足。
家内が言うには、クロは昼間ぐっすりと眠っているそうである。
これで悪戯が少なくなれば一挙両得である。
慣れてくればギグレースも良いが、これで山野を駆け巡るのもいいかも・・・
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