4月8日の午後に前任校(といっても同じ敷地内)の離任式があった。
私は以前から離任式で歌を歌うことが、何度かあった。
肢体不自由の特別支援学校では、生徒と一緒に歌った「風になりたい」をギター1本で歌った。
総合科学の大学附属高校では、オリジナルの「心の絆」という曲を、録音とともに歌った。
前任校では、離任式にふさわしい曲を探して練習していたが、間に合わなかった。
そこで、文化祭で他の職員と体育館で歌い、昨年はYou Tubeでも流したYou Raise Me Upを歌うことにした。
アカペラで、間奏はハーモニカを使うことにした。
ハーモニカはチューニングの意味も持っていた。
当日、私はいつでもまた話はできるので、思い出の曲を歌いますといきなり歌い出した。
文化祭の時と違い、厳粛で静まりかえっていた。
途中のハーモニカの間奏もとちって、生徒が笑うのも見えたが、そのまま続けた。
そして、歌い終わったとき、温かい拍手をもらった。
離任式というのでは無くて、一つのステージのようだった。
後で聞いたのだが、司会の先生が号令をかけるのを忘れてしまったようだった。
その先生には気の毒だったけど、自然にわき起こった拍手が何よりもの「礼」に思えた。
実は歌の前に、一言言葉を添えようかと考えていた。
何故定時制に移ったかとか、この歌にどんな気持ちを込めようとしたかとか。
他の先生との時間配分も考えて、ただ歌うことにした。
だから、異動の理由は前回のブログで書いたので、この歌への気持ちを今回書くことにした。
実は私は、55歳の免許更新をせずに教師から別の職業に転職するつもりでいた。
しかし、転職は果たせず、免許更新を行い続けることになった。
そんな自分でも、生徒たちは慕ってくれたし、逆に励まされた。
生徒のそばにいられれば、自分は何とか教師を続けられると思った。
本当は生徒のそばで、支えて上げるのが教師の務めであるけれど、教師も生徒によって支えられていると心から思った。
だから、2年前の文化祭ステージでも「懸命にがんばる君たちを見て逆に励まされた」と前置きして歌った。
今回も君たちに励まされて、次の学校でもがんばっていく勇気をもらったと言い添えたい。
新入生や2年生とは関わりがあまりないのだけれど、3年生はきっと私の気持ちを汲んでくれるだろう。
最後の花束贈呈で、生徒会執行部の生徒と肩を抱き合ってそれを確かめることができた。
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