修学旅行の最終日より早いもので一週間経った。
もう遠い昔のように思えてくる。
だから苦い思い出も、笑い話にできる。
実は、旅行前に土産代や食事代のためにお金を用意していなかった。
現金をかき集めて、8000円程でクレジットカードもあるし何とかなると思っていた。
送り返す荷物に入れるために、まず宿泊ホテルで土産のチョコレートを買った。
本当はここでクレジットカードを使うべきだった。
最終日の小樽では、自由行動で昼食を食べる
私は他の多くの職員と何も考えずに寿司屋に入った。
これが大きな間違いだった。
品書きを見ると、最低でも1300円程、家内から北一ガラスが欲しいと言われていた。
出発前日にお金を用意していなかったので、買ってこなくても良いとは言われていた。
それでも、一度欲しいと言う言葉を聞いたからには安物でも買おうと思っていた。
他の職員全員が同じ倍の値段のする寿司を頼み、私一人だけ一番安いものを頼まざるを得なかった。
他の職員にも気まずい思いをさせているなとは思ったが、財布を空にして帰る勇気はなかった。
サービスで出してくれた、タコの卵の寿司も便乗して申し訳ないと思いながら頂いた。
食事が終わると逃げるように、私は一人北一ガラスのアウトレットの店に行った。
アウトレットとはいえ2~3割引き程度で、そこそこの値段はした。
100円ショップのコップと変わらないのにと思いながら、安いコップを2つ買った。
本当はペアグラスという要望だったが、アウトレットでは無理であった。
店員さんがなぜアウトレットかを説明してくれたが、私には安ければそれで良かった。
財布の中には1000円札一枚が残った。
生徒に会ったので昼食は何を食べて、いくらしたか参考までに聞いた。
1500円くらいが多かったが、中には3000円以上や、節約して500円という生徒もいた。
皆、お目当ての海鮮丼が多かったが、ラーメンという生徒も少なからずいた。
生徒と同じ値段くらいの昼食をとったと言うことで、少しはほっとした。
家に戻ってから、北一ガラスのコップを開けてみた。
100円ショップと変わらないと思ったコップが、一つは綺麗な薄ピンク色をしていた。
もう一つは、歪んではいたのだが、手作りの味が良かった。
買ってこなくて良いよと言っていた家内も喜んでくれた。
普段のビールを飲むのに使えば良いと思っていたのに、しまい込まれてしまった。
今日も、口元の少しかけた陶器のコップで、第三のビールを飲んだ。
北一ガラスには、本物のサッポロビールが似合うのだろうと苦笑いである。
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