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2015年2月22日日曜日

受験生から学んだもの

授業で担当した生徒たちの、大学合格発表がこのところ続いた。
今年は学年に所属していなかったので、指定校推薦などは一部の生徒を除いて殆ど知らなかった。
センター試験の結果が出て以来、センター利用の推薦から私立大学の一般入試と生徒たちの結果には一喜一憂した。
私が担当した日本史を使って受験した生徒の合格多く出て、嬉しくもあり、ほっとした。
私は大学受験指導は、前任校が特別支援学校だったので、4年間のブランクがあった。
いわゆる受験テクニックの指導は下手であった。
サブノートを使っての私の授業は、もう一人の日本史担当の先生の授業の板書の量に比べて、三分の1にも満たなかった。

私の授業は落語で言う枕の部分が長くて、時事問題を大きく取り上げて解説した。
そして、自前のプロジェクターを使って、録画した日本史に関する映像を使った。
また、期末試験後などは見てもらいたい映画などを見せた。
私はとにかく、日本史に限らず、何かに興味を持って学ぶことの楽しさを知って欲しかった。
試験もあまりひねらずに、少々難しいプリントを与えて、その中から出題するようにした。
日本史が大好きになって、日本史の教師になりたいという生徒もいた。
その生徒は、実際に模擬試験などでは点数が採れずに、指定校推薦で希望する大学に合格したりしていた。
一般の入試試験を頑張った生徒は、自分で入試対策の勉強をしていた。
私は入試直前では、演習問題を自分でやる授業を主体にして、殆ど講義は行わなかった。

関西の難関私学の合格発表があって、それに何人かの生徒が合格して、報告に来てくれた。
学校を休みがちだったある生徒は、学年集会で「学校を休んでいる生徒に、良い大学には入れたためしがない」と言われた。
私はその生徒を個別に呼んで、意地を出して見返してやるようにハッパをかけた。
その生徒はそれまでの模擬テスト結果を覆して、見事難関私学に合格した。
合格発表に来た彼と握手して、肩を叩いて祝福した。
他にも、個別に関わりのあった生徒が報告に来てくれて、嬉しかった。
彼らはどちらかというと、それほど模擬試験や授業では期待されていない生徒だった。
ただ、日本史が非常に得意だった生徒が、苦戦しているのを見ているのは辛いものがあった。

合格生徒には、「これで燃え尽きたらいけない。大学へ入ってからが本当の勉強だ」と言い続けてきた。
そして、希望する大学に行けそうに無い生徒には、自分のように大学へ入ってから勉強して大学院で希望を叶える手もあると言っている。
彼らのがんばりを身近で見ていると、私自身が励まされる。
学習効果においては、講義そのものはたかだか5パーセントほどしか効果が無いという。
今回良い受験結果が出たのは、私の講義そのものはお粗末だったけれど、彼らが学習する意欲を出す手助けが出来たからだと思っている。
高かった自前のプロジェクターの費用は、これでペイできたのではないかと思う。
早朝に時間外補習を前期だけ担当したけれど、喜びを分かち合った半分は参加していなかった。
反省点として、授業は量よりも質であるということを思い知らされた。

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