我が家にまた犬を迎えた。
飼っていたトラという雑種犬が死んで2年経つ。
私は柴犬が欲しくて、ペットショップに見に行ったこともある。
しかし、家内は経済的な理由で最後まで渋っていた。
かつて、モモというメスのシェルティーを飼っていた。
30年近く前だが、3万円で譲ってもらった。
今は、ペットショップで10万円をきる犬はあまり見かけない。
雑種のトラを近所からもらったのは、経済的な理由ではない。
モモが血統書付きの犬として、頭も性格も良かったが、しょっちゅう病気をして、最後は病気で死んだからだ。
その点雑種のトラは殆ど病気にはならなかったが、頭も性格もあまり良くなかった。
次の犬は、日本の風土に馴染んでいて賢そうな日本犬の柴犬が、良いように思えていた。
まだ、経済的な余裕がない家計においては、経費の安い形をとらざるを得なかった。
そこで、ネットの「ペットのおうち」などで犬の里親に応募した。
そのネットにおいて、現在、飼い犬の置かれている現実に気が重くなった。
里親を募集しているのは、雑種が多いのはもちろんだが、名だたる犬種の成犬や、障害を抱えた幼犬。
殺処分を回避したいという、ボランティアの人の努力に頭が下がった。
その一方で、犬を商売としてしか考えていない人もいることも確かであった。
また、無責任な飼い主が多いことも、情けないことに思えた。
ペットブームの闇の部分を垣間見ることになった。
今回、迎えた犬は仮の名を「りく」と言った。
生後7ヶ月くらいで、すでに体重が11kgもあった。
ネットの大きな写真では可愛く見えた。
実は添えられていた最近の写真をしっかり見ていなかった。
ただ、幼犬を求めたのは躾のためで、可愛さではなかった、
実際会ってみると、ビーグルのかかった雑種らしいのだが、可愛い幼犬の域ではもうなかった。
野良犬になっていたのを岡山市の保健所に捕獲されたという。
今の時点ではボランティアの人が預かってくれているが、その人は他に犬を飼っておられた。
このまま飼い主がいなければ、殺処分しか無い運命だった。
その犬の人なつっこい行動からして、もとは飼い犬であったことが分かった。
大きくなってもてあましたか、猟犬として育てようとしたが不向きと分かったか・・・
とにかく捨てられたか、逃げだしたらしい。
人なつっこい反面、車におびえ、物を軽く投げただけですごく恐がった。
野良の時期に、余程怖い目に遭ったのであろう。
とにかく、この犬の命を助けたのは、献身的な「岡山から不幸な犬猫をなくす会」のボランティアの方だった。
我が家では名前を新たに、「クロ」と息子が名付けた。
私たち夫婦は子供のいない時代から、犬を飼っていたので、また元に戻った感じだ。
我が家の犬の第一の役割は、家族の運動不足の解消である。
どんなに疲れていようと、朝夕の散歩が待っているからである。
クロは殆ど鳴かないので、番犬にはならないと思う。
ただ、庭に犬が居るということで、少しは安心できる。
何よりも、仲間が増えて賑やかになった。
家内は以前から犬と一方的に話をする癖があり、既に始めている。
近所の殆どの犬は血統書付きの室内犬なので、庭飼いの最後の雑種と言うべきかもしれない。
庭飼いと言いながら、居間の側の縁台の上に寝そべっているので、室内と殆ど変わらない。モモもトラも、居間の側の小屋でずっとそうして暮らしてきた。
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