「100年インタビュー」というNHKの番組で、小田和正の特集を見た。
私は以前からオフコースや小田和正の曲は個人的にギターを弾きながら歌っていた。
生徒の前では、「言葉にできない」を敢えて選んで、弾き語りで歌ったこともある。
しかし、あまりグループとしてや、歌手としては好きではなかった。
高校生の頃に、隣の短大の文化祭にオフコースが招かれてきたときも、まだマイナーで聴きに行かなかった。
ただ、「さよなら」は思い出深く、彼女の前で歌って、結局本当に「さよなら」した。
ひとりで家でギターを弾きながら歌うのには、良い曲が沢山あったのだが、アーチストそのものには魅力を感じてなかった。
それが人となりに魅力を感じだしたのは、民放の番組の「クリスマスの約束」である。
これも家内が見ていたのを、そばでふと見始めて面白くなった。
そこで彼の人柄に魅力を感じだした。
今回のインタビューで彼が横浜の聖光学院という中高一貫の男子校出身だと知った。
神奈川県には、私の母校淳心学院の姉妹校である「栄光学園」があって、家の都合で転校する人もいたので、親しみを感じる土地である。
彼の母校の様子も映像で流れたが、制服が似ていて、似た様な校風に思えた。
彼は野球部に所属しながら、音楽活動を続けてきたという。
私は高校時代はバンド一辺倒だった。
最も違うのは、彼はちゃんと東北大学工学部に合格して、その後も仲間と音楽活動を続けている。
私は、高3から文転して、一浪して南山大学へ進んだが、そこの軽音部で上手くいかずにバンドは辞めてしまった。
小田は早稲田大学大学院まで進みながら、建築学には結局魅力を感じず、音楽にのめり込む。
私は大学で文化人類学の魅力に取り憑かれて、東京都立大学大学院に進んだ。
問題はそこからである。
小田は売れない時代を耐えて、見事に国境を越えるミュージシャンになった。
私は、研究職にも就けず、こつこつ研究を続けながら、田舎教師をしている。
音楽は趣味程度である。
確かに小田にはミュージシャンとしての才能があったのだと思うが、何よりも音楽に対する思い入れが全然違うと思った。
以前、学校の先輩教師に、昔はミュージシャンになりたかったと言ったら。
「ならずに教師になって良かったじゃないか」と言われて、苦笑したことがある。
確かに売れないしがないミュージシャンになって、路頭に迷っていたかも知れない。
東京にいた時にミュージシャンを志す人を、バイト先でいくらでも見てきた。
数多くの挫折したミュージシャンの上に立っているのが、小田和正なのだと思う。
だから、挫折した方の私のような似非ミュージシャンは、彼の素晴らしい楽曲を自分なりに楽しめればそれも良いと思う。
「僕には歌うことしかできないけど」と歌いながら、多くの人に感動を与えてくれる。
では、自分には何が出来るのだろうか。
言葉にできない・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿