今回夏井いつき氏の講演を聞く機会を得た。
実は、私は俳句には全く興味が無くて、有名な方であるにも関わらず、全く知らなかった。
元教員から、俳人になられたということで、私が果たせなかった転身を立派に成し遂げられた大先輩でもある。
ただ、講演でも言われていたが、退職には不安はあったようで、ネット情報からでは、家庭の事情でやむを得ずということらしい。
それを機会に、新しい道を切り開いて、第一線で活躍できるというのは、尊敬すべき方である。
講演の話の中で、学校で行われた俳句会の逸話を語られていた。
小学生が俳句会で、親が離婚して母親と離れて暮らす自分の思いを精一杯託した俳句に込めたエピソードのことが、心を打ち涙がこぼれた。
普段の言葉では表すことが出来ないことを、託せる一つの手段が俳句だと思った。
俳句は短いから、それだけ思いを凝縮できるのだろう。
和歌や詩のように、長い言葉で表すのも一つの方法だが、学校のような場では多くの生徒が、参加できる俳句会が合っているかも知れない。
考えてみれば、昔から唄は生活の中にあった。
労働の時、祭の時、祝いの時、哀しみの時・・・
歌い継がれてきた歌の中に、自分の思いを込めて歌っていたと思う。
即興で歌を作って、相手に思いを伝えることも古代から行われてきた。
言霊信仰ではないが、言葉の力を信じ、大切にしてきたからだろう。
夏井さんが最後に言っていたように、ネット上で氾濫する心ない言葉は、哀しいことである。
皆に伝わるネットだからこそ、言葉の重みを知るべきものなのかも知れない。
私もそういう意味で、心してブログを書く必要性を感じた。
そして、俳句に限らず、心に歌を持ち続けて、歌っていかねばならないと思った。
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