あ~ぁ 果てしない 夢を追い続け あ~ぁ いつの日か 大空かけめぐる
学生時代に流行ったクリスタルキングの歌が、ちょうど車のラジオから流れていた。
私はたいがいドライブは大都市を避けていることが多いし、あまりショッピングモールなどに行きたがらないので、家内は私が街嫌いだと思っている。
家内は結婚するまで相生の小さな街に住んでいて、一度も都会の経験が無い。
あえて言えば、家内の通った大学は岡山の街の中にあったが、当時はまだ岡山駅の近くでも田畑があったそうだから、都会とは言えないだろ。
私の方は、小学校までは田畑のすぐ近くの住宅地に住んでいたが、中学校からは姫路の都会の街に通っていた。
少なくとも、姫路駅からの通学路には田畑は無かった。
そして、高校卒業後は神戸市、名古屋市、東京中野区、新宿区、横浜緑区での暮らしを経験している。
たぶん、家内は休日は賑やかな街、特にショッピングや観劇に出かけるのを楽しみにしてきたのだろう。
ところが、大都会に住んでいた頃の私は、休日といえば、田園地帯や、海岸に出かけることが多かった。
繁華街でも遊んだり、デートしたりしていっぱい楽しんだのだが、運転免許を持っていなかったので、都市部での運転は経験が無くて苦手だし好きでないのだ。
そもそも。二人とも渋滞が大嫌いなので、渋滞が当たり前の都市部のドライブは無理なのである。
だから、車で出かける時は、都市部を避けてしまう。
都市部には電車で家内と出かけることも多かったが、車の気軽さや快適さが身についてしまっているので、よほどでないと電車は使わない。
だから、家内は私が都会嫌いだと決めつけている。
たまたま、三田や川西の都市部をドライブする機会がこの日曜に生じた。
望んで都市の街並みに向かったのではなくて、いい加減にカーナビを使っていたら迷い込んだだけなのだ。
すると、ふと、自分が都会で暮らしていた時のことを思い出したし、もし、そのまま居続けていたら、こういうところで暮らしていたのかと思った。
私の大学時代の同級生は、殆どがこういう都市部で暮らしている。
むしろ、私のように農村地帯で暮らしている方が稀なのである。
学生時代は何の違和感もなく、都市部で暮らしていたのに、今はとても違和感を感じてしまう。
家内は「コンビニに駐車場がない」と驚いていた。
われわれ田舎の人間は、コンビニは車で行くところなのである。
都会暮らしの人にとっては、逆に田舎暮らしを異質に感じるのだろうと思う。
特に、一度も田舎暮らしを経験したことのない人には、田舎は異質な空間なのだろうと思う。
旅行でたまに行くところであって、住みたいと思わないのも理解できる。
私も以前はまた都会暮らしがしてみたいとずっと言っていたが、家内は嫌だと言っていた。
しかし、年金暮らしになった今は、田舎から離れたいとは思わない。
ただ、夢を追いかけていた頃を思い出すために、名古屋や東京にしばらく滞在して、若い頃の気持ちを取り戻してみたいとずっと思っている。
家内に1週間ほど東京で過ごすことを提案しているのだが、あまり乗り気ではない。
そう言いながら私も、大都会で夢に裏切られ、夢を裏切ってしまった場所であり、手放しに喜んで出かけていけるところではないことも事実だ。
私にとって大都会は「遠くにありて、思ふもの」なのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿