私は赤穂にある実家の畑を何年も作物を作らず、代萩(セイタカアワダチソウ)の群落にしたままであった。
ただ、1年に数回は草を刈りには来ていた。
米不足で代用食が必要と思い、今年からサツマイモやカボチャを植えることにしていた。
この四月の下旬にも背負い式の草刈り機を使って、代萩は殆ど刈りたおしておいた。
以前に農業雑誌でニューギニアでは雑草の上に土を盛って、そこにサツマイモの苗を植えることが紹介されていた。
ネットでも調べたら枯れ草の上に土を盛ることが書いてあった。
ただ、枯れ草はイネ科の植物だったようだが、うちの畑の代萩はキク科であり宿根草でもある。
実は、冬場に枯れ草を一度焼いていたので、そこには代萩は生えないだろうと思っていたが、しっかりと生えていた。
当初は筋状に刈り干した草の上に刈り跡の土を掘り起こして、それを枯れ草の上に置く予定だった。
ところが、スコップを使って掘ると代萩の地下茎が立ちはだかってなかなか掘れない。
そこで、枯れ草を一カ所に集めてその回りを掘り起こす従来のニューギニア式に戻した。
スコップで深く掘らなくても、代萩の地下茎はそれほど深くないので、備中鍬に持ち替えた。
最近ではサンボンコとここいらで言われる備中鍬を使っている人を殆ど見かけない。
大抵は小型耕運機を用いて耕している。
私も少し馬力のある小型耕運機を持っているが、今回は持ってきていない。
そこで、父親から教わった備中鍬で掘り起こして草を取るやり方を実践した。
それは深く根付いた草に鍬を打ち込んで、テコのようにして引き抜く。
そして、土のついた根の部分を、鍬3本刃の逆の部分で叩いて土を落とす。
最後に手で持って鍬の柄や刃などにぶつけて土を払い落とすやり方だ。
この時は盛り土の上にサツマイモの苗を植えることよりも、地下茎のない土の上に植えようと思ったので、掘り起こした地下茎は盛った土の上に置いておいた。
予定では40本の苗を植える予定なので、その広さを確保しようとしていた。
ところがなかなか作業が進まず、盛り土にも植える必要を感じて、地下茎も一緒にした枯れ草の山に土を被せた。
これはたぶん間違いだろう。
地下茎が芽を出すことが考えられる。
ニューギニアでは前もって地下茎のある草でも干して、発芽することを防いでいたのだと思う。
そして、やりながら気がついたのだが、こんもりとした盛り土にするのは周りの草を刈ったり、掘り起こしたりした物を集めるのに都合が良いからだ。
ニューギニアでは古くから石器が農具として用いられているので、私の今回のやり方とほぼ同じでは無いかと思われる。
ただ、北アメリカ原産の代萩のような厄介な植物は生えていなかったように思う。
イネ科の草であればもっと楽に掘り起こすことができそうである。
現に、上郡にある自宅裏の畑では、スコップで簡単に掘り上げて高畝を作ることができて、現在はジャガイモを植えている。
従来なら刈った草は燃やして焼き畑のようにして、野原になった畑を復活させる方が手間がいらないだろう。
しかし、今回の代萩のように地下茎でしぶとい草の場合はニューギニア式のやり方が有効に思えた。
ただし、小型耕運機で耕した方が労力的には楽だっただろうと思う。
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