私は上郡と赤穂で畑をしている。赤穂は所有する畑を父親が調子が悪くなってから、自分が代わりにやり始めて、亡くなった後も続けている。
上郡は近所の人から借りて作っているのだが、最近気になることがある。それは上郡では鳥が減ったと言うことだ。
赤穂は海浜公園の近くにあることもあって、カラス対策が大変で、先日も畑の枇杷の木の摘果と袋掛け、そして防鳥ネット張りをした。
去年はネットをすればカラスはある程度防げたが、椋鳥はネットの上から袋を破いて食べられた。
今回はネットが枝葉にあたらないように工夫し、テグス糸も脅しで張った。
上郡でも庭の梅の木が雀などに荒らされたりするので、テグスを張ったり、カラスの模造品をぶら下げたりしたが、苺に関しては誰もネットを張っていない。
赤穂では隣の畑の人が、厳重に苺にネットをしているのと対称的である。そういえば上郡ではカラスの姿もあまり見ないし、雀の姿もずいぶん減った。この季節は雀は子育てで、以前は家の樋などで巣を作って、うるさくて困るくらいだった。
去年までは庭木のかなめの木に沢山集まってきて、うるさいので枝をだいぶ刈り込んだくらいである。それが最近は数匹やってくる程度で、ねぐらにすることもない。
その影響かも知れないが、代わりに庭木に毛虫が大発生した。
気がついたら梅の木の葉が食われて、枝だけになっているところもある。始めは火箸を使って一匹ずつ捕まえていたのだが、だんだん無理だと分かってきて、葉の無い枝を切り落として始末したりした。
そして、かなめの木に異常繁殖した毛虫を見て、農薬を使うことに踏み切った。スプレーで売っているものだが、それを使うとぼろぼろと毛虫が沢山落ちてきた。
これまで何度も毛虫には悩まされたが、今年ほど深刻な状態になったことはなかった。
私は畑も庭木も無農薬、無化成肥料で通しており、虫対策は主に寒冷紗や自然農薬を用いた。梅の実は毛虫を落とす時に殆ど落としてしまったので、今年は梅の収穫は諦めた。
それなら最初から梅にも農薬を使えば良かったのだが、農薬を使うことには躊躇いがどうしてもあったのである。
毛虫が異常に発生しているのは私の家だけかも知れないが、近所では庭木を農薬で防除しているのを見たので、防除していない家に集中したのかも知れない。
毛虫の大発生が何に原因するのか考えると、冬が寒かったのが一気に熱くなったことや、越冬のために鳥が上郡から減ったことによるのかも知れないと思う。
もともとうちの近辺では竹林が多く、以前は大きい木が何本もあったので、鳥のお宿に事欠かないところであった。
ただ、姫路の市川近郊のようなカラスの大群は冬場の一時を除いていない。たまに鷹などの猛禽類も渡来したり、コウノトリがやってきて話題になったりもした。そういえば、鷺もあまり見かけないし、鳧もずいぶん少ない。
気象変化によるものなのか、近年水田で多く行われている無人ヘリによる農薬散布のせいなのか、分からない。
去年はあまりの猛暑でキヌヒカリがあまりとれなかったとも聞く。機械化でただでさえ落ち穂や落ち米の減った水田に食べる物がなくなったせいかも知れない。
「沈黙の春」は農薬などの化学物質だけの問題でなく、温暖化による極端な気象変化や、農作業の機械化とも関係しているのではないかと思えてくる。
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