この5月27日(日)から29日(火)まで修学旅行で生徒を引率をして東京まで行ってきた。
東京は2007年に行って以来であるが、今回のように上野・浅草やディズニーランドへは1997年に家族で行って以来である。横浜の中華街や山下公園はもっと古い。
私の通った大学院は東京にあったので、東京都の中野区中野(1985年)、新宿区西落合(1986年)、横浜市の長津田(1987年)に住んだことがある。
特に私は院生と言っても、半分は主に家庭教師などののアルバイトで明け暮れていたので、方々に行く機会が多かった。
しかも、毎年引っ越しをしてその界隈のことは詳しい。2007年は自分が教えていた学年が修学旅行でその期間の授業が無くなったので、年休をとって住んでいた界隈を訪問した。
住んでいた地域はどちらかというと、開発から取り残された地域であまり変貌は無かったが、今回行った上野・浅草はスカイツリーの影響という面で、ディズニーランド、横浜の山下公園付近はは湾岸開発という面で大きく様変わりしていた。
以前は東京で高くて目立つ存在は新宿副都心の高層ビルという風に思っていたが、スカイツリーの存在はそれを変えてしまった。
浅草は特に近くにあって、浅草寺の境内でもそれをバックに記念写真を撮ったりした。
日曜ということもあったが、仲見世通りは人通りで溢れかえり、ここでこれだけ人手が多い経験は、東京在住していたときに行った三社祭以来である。
バスガイドさんも観光の人の流れが変わってしまったので、現在分析中だという。どちらかというと一歩裏に入るといかがわしい感じのした浅草が、国際的な観光地に変わりつつあった。
少し立ち寄ったお台場のフジテレビ付近は、ウォーターフロントと呼ばれる以前しか知らなかったので、まさしく初めての経験である。
私はそこから少し離れるが、家庭教師をした生徒が大田区にいた関係で、その生徒と海岸に魚釣りに行ったことが何度かあって、喧噪な都心から離れた隠れた憩いの場所という感じだった。
また、奄美に調査に行くときは晴海埠頭からフェリーに乗ったので、その近辺はバスで何度か通っていたが、そこは殺風景なゴミの島というイメージしかなかった。
この臨海副都心こそ今の東京を代表しているのだという感じがした。新宿副都心しか知らなかった私はまさしく過去の人であった。
ディスニーランドはたまたま近隣の学校が日曜に運動会が開かれて、その代休ということで、月曜であるにも関わらず超満員状態であった。
「夢と魔法の国」はまさしく現実から別世界に案内してくれたのだが、自分の子どもを喜ばせようと来たときと違って、作られたアニメーションの世界は手が込んで、すばらしい演出にも関わらず、何時間も並んで味わうに値するものとは思えない。
確かに夜のパレードなどは華やかで、その雰囲気に我を忘れるほどであるし、日中もあちらこちらで生演奏をして楽しませてくれている。
でも、出発前夜に見た相生のペーロン前夜祭の花火大会の方が、同じ一瞬の別世界体験でありながら、時間を超えた記憶と感情を呼び起こしてくれた。
自分には小さいときにディズニーランドで楽しんだ経験がないからか知れない。
ただ、小さいの時にテレビで見たウォールト・ディズニーの世界の方が、雄大な自然とのふれ合いや、アニメの愉快さが有ったように思う。
その番組は楽しみで欠かさず見ていた。それに対して、最新技術の3Dやロボット仕掛けの人形での演出が手が込めば手が込むほど、却ってその作為的な部分だけが目に付くようになり、孫のができれば連れてきたいとは思うが、自分が楽しむために来たいとは思わない。
歳のせいなのかもしれない。
むしろ、今回行った中で山下公園の氷川丸は過去の世界を臭いと共に再現してくれた。調査でフェリーに乗る経験の多かったので、この船が大海原を進んでいく様子が想像できる。
操舵室の古めいた羅針盤や、通信室のモールス無線機など、映画でしか見たことのない物に触ってみると、本物でしか味わえない想像を得られる。
昔、デートで来た時には素通りした氷川丸は、今も修学旅行の生徒とご老人にしか人気がないようだ。
一般が200円、障害者は無料のこの船は、高額なディズニーランドとは違った想像豊かな世界に連れて行ってくれた。
また、中華街の食事は、料金の高くてまずいホテルのバイキングよりも数倍美味しくて、お腹が一杯になった。
東京での3日間は、変わりゆく世界と変わらない世界を目の前にして、どう本物を見極めていくかを考えさせられる良い機会になった。
修学旅行は仕事として精神的も肉体的にも厳しいものではあるが、生徒だけではなく教師にも勉強になる機会でもあるように思える。
それは体験によって作為的に得ようというのではなく、楽しみながら自然に味わえる現実と想像の世界でもある。
できればもっと費用を安くして、ゆっくりと体験できればもっと良いものになるような気がするが・・・
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