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2013年2月5日火曜日

赤穂における一人称と二人称

先日叔父の葬儀に親戚が集まった。
そこで、伯父の「オンシー」という二人称を久しぶりに聞いた。
<オンシー>は<オンシャー>とも同じように、「おまえ」という意味である。
今ではこの言葉を使うのは、鳥撫の伯父しか身近にはいない。

<オンシー>という言葉は、「おぬし」から来た言葉だと父親から教えられたが、父親自身は使ってはいなかった。
私達の子供の頃は<オマハン>という言葉を普通に使い、今でも普通に使っている人も多いと思う。

この<オマハン>は上郡の人でも普通に使う。
私の育った尾崎では他に<ワレ->ということばをよく使った。これは赤穂の西側の地区ではあまり使われていなかったと思う。
他に<ジブン>という言葉は男女とも使ったと思う。

一人称は男性は<ワイ>という言葉を使う人が多かったが、私自身は使えない。
学校などで<ボク>と言うように指導されたせいもあるかも知れないが、たまに<ワシ>という言葉を使う。
<ワイ>は東側が多く、西側は<ワシ>が多かったように思う。
女性は<ウチ>が普通だろうが、<ワシ>という老人もいたように思う。
学校での指導やテレビなどの影響で、これらの言葉を使う人は若い世代には少なくなったと思う。
私自身も<ワイ>という言葉を使うのには抵抗があって、地元の教師でも日常的に使っているのにも違和感を感じた。
この方言の一人称と二人称だけで、会話の雰囲気が全然違ってくる。
教師という立場が長いせいか、私的にも使えなくなったしまった。

私は奄美に調査へ行った時、飲んで酔うとへたくそな奄美語を使った。
私というのは<ワン>といい、君というのは<オラ>とか<カナ>を用いるが、<ワン>はわざと使った。
おそらく小学校の同級生と飲む機会があって、仲良くしようと思ったら<ワイ>や<オマハン>をわざと使うかも知れないが、そういう機会が全くない。
一人称と二人称は仲間意識を会話の中で、確かめる言葉である。
しかし、<オンシー>を共有できる人はそのうちいなくなってしまうだろう。



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