前回、東大出の弁護士の同級生I君のことを書いて思い出したことがある。
私にはバンド仲間の悪友Sがいて、彼の家に泊まりに行ったりして、日頃の鬱憤をお互いに晴らしていた。
Sはいつも学校での成績は最下位で、試験ではいつもいわゆる赤点であった。
しかし、受験に関しては要領が良くて、早稲田大学一本に絞り込んで、なんと現役で法学部に合格した。
おそらく、学年の卒業成績最下位で早稲田の法学部に現役合格したのは彼くらいだろう。
当然、Sは大学では勉学をやるわけもなく、モトクロスバイクにのめり込んでいた。
バイク事故で卒業が一年遅れたSは、地元の企業に就職した。
事件は同窓会で起きた。
私はまだ院生だったので、地元の同窓会には顔を出せなかったので、本人から聞いた話である。
東大を出て直ぐに司法試験に受かり、弁護士資格をとったI君は、 同窓会で自慢げにその手帳を披露したそうである。
その場にいた、Sはその手帳をひったくって食いちぎってしまったという。
S本人は「くそ生意気だから、やってやった」と話してくれた。
同じ法学部出のSにとっては、よほど癪に障ったのだろう。
Iはそんな嫌みな男ではなかったのだが、Sの存在への配慮が足りなかったようだ。
Sは同級生でも別格な存在だったので、Iは諦めるしかなく手帳は作り直したという。
その後の同窓会では、ずっとそれが語り草になった。
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