私の身近な人が孤独死した。
半世紀ほど引きこもったまま、お母さんが寝たきりになると介護を長くしていたが、お母さんが入院した後は一人暮らしだった。
亡くなったのが分かったのは、死後数日経ってからだった。
いつも届けて貰っていた弁当の金曜日に配達された物が、月曜まで残っていて市役所に連絡を業者がとって身内に連絡があった。
心臓麻痺だったようで、近くに置いてあった携帯電話を使うことも出来なかったようだ。
私の住んでいる村でも半年前に孤独死があった。
二人ともそれほどの高齢ではなくて、共通するのは男の一人暮らしということだが、村の人は自営店の勤めだったので発見が遅れた。
うちの村では数年前にも男性の一人暮らしの孤独死があり、もう珍しくなくなっている。
孤独死の話題には事欠かなくて、私が新任教師の頃に世話になった赤穂市内の人が、風呂の中で孤独死をしたことも聞いた。
奥さんが入院されており、一人で暮らしていたのだが、しばらく経って発見したのは離れて暮らしていた娘さんだった。
つい最近芸能人でも、中山美穂が孤独死したことが話題となったが、もう孤独死はそれほど異常なことと思われなくなっているように思える。
ネットで調べたら、孤独死は日本がダントツに多いようだが、韓国やイギリス、イタリア、アメリカなどでも多いようだ。
最近は若い人でも孤独死の不安があって、スマホのアプリで生存の確認をしている有料サイトやボランティアもあるとテレビでやっていた。
今日(2/23)の朝日新聞の1面には、引きこもりの男性が40歳半ばで孤独死をして1年間も気付かれなかった記事が載っていた。
孤独死は既に高齢者だけのものでなくなっている。
孤独死は亡くなって早く発見されれば良いのだが、そうでなければ大変のことになる。
今回は冬場で腐敗があまり進んでいなかったようだが、暖かい季節や風呂の中で数日見つからなかった場合は、それに対処するのが大変なようだ。
私の知り合いの人は、アパートで自分の上の階の人が孤独死をして、そのシミが天井に広がってしまったと言っていた。
腐敗が進んだ遺体の対処をするのがいかに大変かを、実際に行った人から聞いたこともある。
本来、葬式はそういう状態を避けるために、早々に行われていた。
昔は亡くなった日の夜に葬ってしまうのが普通だったようだ。
我々は、子どもの頃より一人でも生きていけるように、競争社会の中で生きる力を身につけるための勉強を励まされてしてきた。
女性も男性に頼らなくても経済的自立をしていこうと、学歴を身につけてきた。
競争の末に自己実現を果たし、家業とは違う企業や官庁などに貢献して、その見返りとして報酬や年金を手に入れることが出来た。
ただ、みんながみんな安定した職を手に入れたわけでは無く、特に就職氷河期の世代は厳しかった。
そして、たとえ定職についてもそういうところは老後の面倒など見てくれないし、退職後の仲間との親しい関わりはあまりない。
古代に貴族の邸宅で年老いて役に立たなくなった下人が、放り出されたことよりはましなだけだ。
現代は独り身も増えているし、結婚しても子どもも巣立って夫婦だけの二人暮らしが普通となり、子や孫などと暮らすことが稀になった。
夫婦もやがてどちらかが亡くなれば一人になる。
一人になったら施設に入るか、入院するしか孤独死を避けらるのは難しい。
私の母は父の死後に一人暮らしをしていた時には、介護認定を受けて赤穂市から緊急連絡装置を置いて貰っていた。
持病の心臓の調子が悪くなり、それを使って救急車を呼んで入院したこともあった。
これも万全では無いので、これからは毎日無事が分かる装置を、仕事を持たない一人暮らしの人には義務づける必要があるだろう。
それは単なる対処方法でしか無いから、例えば毎日弁当を配達する人には補助金を出して、一言でも会話をしてもらったり、海外のように老人の食堂を作るべきだろう。
訪問介護も政策によってどんどん減らされていて、孤独死もこれからどんどん増えるだろう。
海外から人気が高くて観光客が多くなった日本であり、今年は巨額の資金をつぎ込んだ万国博覧会が開かれる日本。
その日本が孤独死大国と知ったら、海外の人は日本のような国になりたいと思うだろうか?
むしろ、日本人こそ、互いに助け合いながら生きている発展途上国の人々に学ぶべきだと思う。
そして、以前に森永卓郎さんが主張していたネット記事を読んで知ったのだが、ベーシックインカム制度を導入すべき時が来たように思う。
日本人は政策や学校教育、世論によって、血縁・地縁の互助的な関係を崩壊させてしまったのだから、それを国家が補うしかないように思える。
朝日新聞で報道された孤独死男性が「(実家に住みながら)室内に食べ物はなく、通帳の残高は百数十円。財布に現金は残っていなかった」とされていた。
現代は自分の家で野垂れ死にしてしまう時代なのだから・・・・
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