定時制の高校に勤めだしてから一月が経とうとしている。
私の勤める定時制は13時20分から21時50分までの勤務である。
当初、自宅にいる午前中は、自分の研究に時間を費やすつもりでいた。
ところが今は、季候も良く農作業も多い時期でもある。
私は農地を借りて畑をしているのだが、地主さんが亡くなり、畑も多く作ることになった。
そうすると、自ずから畑仕事が多くなった。
実のところは、私は部屋に引き籠もるのは子供の頃から苦手である。
人類学という学問に取り憑かれたのも、フィールドワークが魅力的であったからである。
今は出版という目的があるので、文献にひたすらあたっているのだが、早く終えてフィールドに戻りたい。
全日制校勤務の時には、週末には部活動か農作業をしていた。
今は平日でも朝6時に起き,、犬のジョグ散歩をしっかりして、午前中は農作業か読書をしている。
農繁期なので週末は晴れたら農作業一筋である。
田舎にいても、私くらいの年齢で、農作業をしている人はあまりいない。
若くて農作業をしている人は、外国からの研修生であったりする。
同じ上郡で兼業農家の先生が、私が定時制に異動することを知って言った。
「いよいよ、本格的に農業をするのですね。」
私ははっと、「そうだ!その道があった」と思った。
本当は異動に際しては農業のことは全く念頭に無かった。
しかし、運命のいたずらか、異動するとどういうわけか、農業に傾いてしまっていた。
飯が食えなくて、持ち出しの多い研究よりも、農業の方がまだ見返りがあるのも確かだ。
この際は開き直って、晴耕雨読ということにしても良さそうな気もする。
近所の農家は車よりも高いと農機を使って、やむなく田畑を守っている。
私はおいしくて安全な作物を親・家族や知り合いに食べてもらうために農業をしている。
そして、昼間肉体労働をしている生徒たちとも、共感し合うためにも農業が必要な気がする。
ただ、生徒たちの多くは室内労働で、私が一番黒いのはちょっと恥ずかしい。
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