私は既に45年程前には、コインランドリーを利用していた。
最初は名古屋の地下鉄の池下駅の近くにあった銭湯のランドリーで、風呂に入っている間に洗濯機を回していた。
かぐや姫の「神田川」よろしく、風呂上がりに待ちぼうけで過ごしたのもそのコインランドリーだった。
乾燥機は使わず、たいがいは夜中にアパートの部屋の中に干したりしていた。
東京でも中野に住んでいた頃は、風呂屋に併設されてなかったので、休みの日にコインランドリーに出かけて洗濯をした。
その後は二層式洗濯機を買って自分で洗濯もしていたが、職に就いて洗濯機から遠のいていた。
家内が入院したりした時は、さすがに自分で洗濯したが、やり方をその時に教わり、しばらくして機械も変わると自分でやることが殆ど無くなっていた。
先日、家内の体調が悪くて、近くのコインランドリーまで付き添っていった。
自分一人で行けば良かったが、支払い操作する自信が無かった。
中に入ると、いつも散歩の時に出会う年配の男性が乾かした洗濯物をたたんでいた。
挨拶して、私がやにわにつかんで洗濯物を洗濯機に放り込むと、家内に叱られた。
「一枚ずつ入れるのよ」ともう一度やり直しを食らった。
隣にいる男性に「いつもしてないものですから」と照れながら言い訳をした。
その男性は、まだ小さな娘の衣類を中心にたたんでいて、おねしょをした時が大変だと言っていた。
私が「娘が おむつをかえてちょうだい」と、いつまでもおむつをしていたことを話すと笑われた。
幼い娘と若い奥さんのために労を惜しまない、熟年お父さんには感心しきりである。
最近はコインランドリーにやってくるのは年老いた男性が多いということで、扱い方が分からずに時々家内が教えてあげるということだ。
そして、坂の途中にあるので、自宅との往復も疲れるからかもしれないが、洗濯機の前で座って、何もせずにボーとしているという。
おそらく、奥さんに頼まれてしているのだろうが、1時間近くかかるのであれば時間潰しの方法も考えたら良いと思った。
私の東京中野のコインランドリーは近くにあったので、いったん下宿に戻っていた。
田舎では、車で行かねばならないところが多いので、ランドリーの中や車中で待っている人もいるようだ。
これから田舎では、こういう人のためにコンビニや喫茶店に併設してくれたら有りがたいと思う。
というのも、コインランドリーを使うのは雨の日が多いので、近くを散歩ができないからだ。
これからは、桃太郎話のように洗濯するのはお婆さんではなくお爺さんであり、お婆さんはカーブスで運動する時代なのだ。
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