先日職業体験と言うことで、赤穂の漁協に定時制の生徒と一緒にうかがった。
赤穂の漁協の建物は、以前は東浜塩田の工場や倉庫があった場所にある。
私は子供の頃には、このあたりでよく魚釣りをして遊んだ。
昔は、赤穂で牡蠣の養殖をしてはいなかったと思う。
今は全国的にも名の知られた牡蠣の産地にまでになっている。
海苔に関しては、唐船の河口寄りの海岸で、棹を立てて養殖していたのを覚えている。
今は唐船の沖で養殖していて、ずっと海面下にあるので繁殖が良いという。
昔は近所で海苔を干す作業をしている家もあって、その作業を見るのは面白かった。
その頃は、車もあまり通っていなかったので、家の前の路地に天日干しをしていた。
残り物の海苔などを分けてもらって、母親がよく海苔の佃煮を作っていた。
久しぶりに赤穂の海苔をあぶって食べさせてもらった。
磯の風味が強くて、懐かしい味がした。
赤穂の牡蠣は千種川のおかげもあって成長が早く、一年物でも大きくて美味しい。
今回は殻付きの牡蠣を焼いたり、生徒が殻から外した牡蠣を味噌汁に入れて食べた。
焼いた牡蠣は、海そのものが口の中に再現されているようだった。
また、味噌汁に入れた牡蠣を初めて食べたが、こんなに美味しいとは思ってもみなかった。
大きな鍋に一杯あったので、教師生徒あわせて15名ほどで食べられるかと心配した。
心配には及ばなかった。
予定の時間よりも早く、鍋は空になってしまった。
12月にしては思ったより暖かい夜で、御崎の灯台や夜の星が綺麗に光っていた。
御崎の夜景を見ながら、生徒達と楽しくて美味しい時間を過ごせた。
漁協としては、後継者に繋がればということである。
話を聞くと、牡蠣に関しては地元の多くの人が仕事に関わっているようだ。
ただ、牡蠣むきの仕事は冬場だけの仕事で、漁師さん以外はパートということになる。
季節的なこともあって、人手が足りなくてせっかく人気がある唐船の牡蠣小屋も運営できないそうだ。
せっかく赤穂は観光化も進んできたので、一年を通して多くの人が関わることの出来る事業が出来ればと思った。
ただ、年商の多い牡蠣にしても海苔にしても、その分設備に投資される額は大きいという。
自然相手にどれだけリスクを負えるかということである。
私の家の本家や親は船での運送業を営んでいたが、父親はリスクを避けて会社勤めに替わった。
本家も後継者がなく、もう船の運送業は営んでいない。
地場産業の維持というのは、リスクを考えればそんなに容易いものではなさそうだ。
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