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2016年12月26日月曜日

冬場だけのRun away?!

今日もいつもの高圧電線の鉄塔に、コウノトリが二羽仲良く泊まっている。
地元では最初一羽で来ていたコウノトリを「さっちゃん」と名付けたが、もう一羽には名前をつけてない。
最初は、地方紙などにも取り上げられたりしたが、最近ではマスコミに登場することはあまりなくなった。
ただ、マニアは相変わらず追っかけている。

先日、このコウノトリを毎日のように写真に撮っていて、二羽のことにも詳しいOさんから話を聞いた。
実はさっちゃん以外のもう一羽のコウノトリは、弟でしかも二羽はつがいであるという。
いわゆる近親交配になるので、豊岡の飼育場では二羽を引き離そうとしているらしい。
それを嫌がって、上郡まで来ているのだという。
なぜ上郡なのかは、よく分からない。
他には太子にも立ち寄ったりするらしいが、上郡にずっと冬場は居着いている。
この周りには自然豊かなところはいくらでもあるのに、高い鉄塔が良いのか、田舎過ぎると天敵が危険なのか?
考えてみれば、豊岡の飼育場はそれほど辺鄙なところではなかった。
育った環境に似ているのかもしれない。

ところで、近親交配ということになると考えさせられる。
以前テレビで、絶滅の心配のあるアムール虎が近親交配をしていることを放映していた。
個体数が少なくなると、近親交配の確立が高まるのであろう。
ただ、ロマンチックに考えれば、禁断の恋の逃避行と言うことになる。
神話には兄妹夫婦のモチーフは多くある。
実は、都立大学院時代に松園万亀雄氏のゼミナールで、Incest Taboo(近親相姦禁忌)がテーマになって文献を読んだことがある。
特に、古代エジプトの状況に関して読んだのだが、王家だけでなく、時代が下ると一般庶民も兄妹などの夫婦がいた。
自然界の鳥などは、鳴き声などで近親交配を回避することも知った。
むしろ、近親相姦は文明のなせる業のように思えたのを思い出す。

この二羽は、生まれた年が違うので、同じ巣に育ったわけではない。
飼育場という狭い人為的な空間の中で、たまたま好きになった相手と言うことだろうか。
これも絶滅寸前まで追い込んでいった、日本の近代化の責任でもある。
この頃は、仲の良い二羽を見る度に、何か切ないものを感じる。
ただ、古代エジプトのクレオパトラもそうだったじゃないのと考える手もある。
さっちゃんをクレオパトラに見立てても良いのではないか!
女王様の冬場のRun away、上郡は女王様に選ばれた地である。

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