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2024年4月13日土曜日

農作業しない農家

 私がここで言っている農家とは、田畑を所有している地主の意味である。

戦前までは寄生地主といって、小作料だけで生活ができる人もいたが、さすがに今ではそれはないだろう。

しかし、銀行に1000万円預けても大した額がつかないのに、10aあたり米1俵(約1万円)は高収入だ。

私は30kg8000円で近所の農家から買っているので、玄米1俵60kgは16000円となる。

50aも水田を持っている人は、小作料80000円ということになるが、大抵は米で渡しているようだ。

だけど、地主は米を買わずに済んでいるとすれば、銀行の利子収入よりよほど割が良い。


ところが、地主さんの殆どは専業農家に委託していて、水当番など以外は水田に関わることは殆ど無い。

しかも、以前なら水田以外に畑をしている人が多かったが、それも若い人は嫌がってしない。

嫌がるのは子供の頃に無理矢理に親に手伝わされたからだという。

私の弟も、父親に畑仕事で叱られたのが、嫌な思い出となって、今は全くしようとしない。

私自身も父親の畑仕事を手伝うのはあまり好きでは無かった。

自分で好きにできるようになって、面白くなってやっている。

近所の人や知りあいも、年老いた親ができなくなって、自分でやり始めた人もいる。

子育てに忙しい若い夫婦は、専業農家やパートの農作業以外は殆どすることはない。

なので、その子供達は田畑が何であるかを教えて貰っていない。


近所に子供は虫や魚取りが大好きで、平気で畑にも入ってくる。

今日も、畑に小さな靴跡が残っていたし、虫取り網の棒で突いた穴が開いている。

勝手に入ってくるので、注意したがなかなか聞かないので、動物よけのネットを張る始末である。

実は私の飼っている犬は、散歩の途中で田んぼや畑に入ったので、かなり叱った。

それ以来、冬場で稲の無い田んぼ以外には、入ることは滅多にない。

畑に平気で入ってきて畑を荒らすのは、キツネや狢、ヌートリア、カラスなどの他に農作業をしない農家の子供なのである。

ただ、こういう子供もいずれ村を捨てて出て行くと思うと、もっと関わってやろうとも思わないのも事実だ。

そして、小作料で潤っている農作業をしない農家も、所によってはお金を払ってまで、専業農家に作って貰わなくてはならなくなってきている。

果たして食糧危機が来るまで、近隣の農業は持ちこたえられるのだろうか。

ただ、最近は中年や若い農業従事者もできているようで、営農組合のような昔とは違った形で維持しているようだ。

私は、なるべく機械に頼らない、有機農業を孤軍奮闘がんばっている。

先日もサンボンコ(備中鍬)で半反近く耕したが、それを片手間農家の知りあいに話すとあきれていた。

これも健康目的と少ない年金が理由である。

そして何より、自分なりに技術面では食糧危機に備えておこうと思っている。




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