先日、トラクターの後ろに噴霧装置をつけて、除草剤を畦や道路端に撒いているのを見かけていた。
その農家は幅広く水稲の栽培を請け負っている法人で、若い人が雇われてその作業をしていた。
今までは、人手を掛けたり、リモコンの自走式草刈り機を使ったりして、斜面なども刈っていた。
その手間を省くために除草剤を撒いているらしい。
つまり、人件費や機械の維持費を考えると、除草剤の方が経済性が良いということらしい。
数日すると、あたり一面は草が枯れてしまい、まるで冬の景色のようになった。
田んぼの中には撒いていないので、雑草が青々しいし、レンゲも綺麗に咲いている。
ただ、扇状地の水田は斜面が多いので、やたら枯れ草が目立つ、これで田植えのために水を張ったら、本当に冬景色になるだろう。
ネットで調べても、除草剤は人体に影響はないと書いてある。
直ぐに影響は出ないかもしれないが、今後どんな影響が出るのか分からない。
そもそも、雑草が枯れてしまうと、昆虫や小動物のすみかが奪われる。
そうすると、それを餌にしていた鳥などの動物がいなくなるのだ。
以前、農薬の空中散布の影響を書いたが、この除草剤もそれ以上に影響が出る可能性がある。
農業の置かれている状況は厳しいことはよく分かる。
人件費が上がって、人手を掛けるとコストが上がってしまうだろう。
円安の影響で、肥料なども値上がりしている。
農作業をやる人も少なくて、人手不足に陥っている。
やむなく除草剤の全面散布なのも責められない。
このところ、道路の下の斜面も、高速道路のように草抑えシートを設置している場所も増えた。
村作業としてやるには限界が来ているのだ。
農家が疲弊すると、自然環境も失われていくのである。
何か手立てはないものかと思う。
刈らなくて済む草を植えて、伸ばしたままにしておく。
水はけの良い、ブロックや石垣を敷き詰める。
とにかく、雑草などを放置すると、そのうちに木が生えて、手に負えなくなることも確かだ。
また、マダニなどの発生も懸念される。
農家や村人だけに責任を負わせるのではなくて、環境問題として大がかりに取り組んでほしいと思う。
「沈黙の春」は既に始まっているだから。
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