今年は苗をいっぱい採ろうと、5月の連休には赤穂の瀬尾種苗店で、品種改良をしたという1本50円もする「べにあずま」の芋づるをを20本買って植えたのだが、温度が低かったり雨が降らなくて、いっこうに苗は伸びなかった。
上郡の方でも冬を越させた種芋を畑に植えて、トンネルをしたのだが、水をやるのを忘れたこともあって、最近になって少し伸び始めた。
仕方ないので、上郡の旬彩蔵で1本25円の「鳴門金時」を50本買った。その苗は近所の農家が作った物で、なかなか苗としては茎も葉っぱも元気の良い物だった。
その蔓は、赤穂高校の近くにある畑に持って行き、先週収穫した玉葱の畝をそのまま利用して、マルチを張り、大きなスコップで穴を開けて植えていった。先に植えた「べにあずま」もようやく蔓を伸ばしてきたので、6本ほど取って植え付けた。
昨夜から雨は降っていたが、水をたっぷり、井戸からバケツで汲んでかけてやった。
この薩摩芋、小学校でも学習で栽培するし、勤めている特別支援学校でも農園でよく栽培するのだが、簡単そうに見えて、意外と手間がかかって難しい。
雨が少なかった一昨年は、担当した学校の農園の芋に水をバケツに汲んでかけ続けたが、結局は収穫も少なく、バザーで販売することができなかった。
昨年は逆に雨がよく降って蔓もよく伸びたので、 蔓を刈り取って苗にして多く増やした、その苗にもそこそこの芋が秋にはついた。安納芋だけは駄目だった。
学校の農園の方は別の教師が主に担当していた。化成肥料を多くやったせいかもしれないが、「べにあずま」は多くとれたのは良いが、カボチャのようなでかい芋が殆どだった。
どうも、形から想像するに、何個かの芋が成長の過程でひっついてしまったような感じがした。
姫路で家庭菜園をしている人も「べにあずま」は同じ状況だったことから、品種と気候のせいかもしれない。
因みに私は「金時」系の「べにあずま」や「なると」を植えていたが、そういう状態にはならなかった。ただ、蔓を刈って少しずつ増やしたのだが、遅くなったのは殆ど芋は大きくならなかった。
実は、薩摩芋は赤穂の畑の隣や近くの人は、砂地で適しているのにも関わらず、あまりうまく作っていない。西隣はうまくできなくて、作るのを止めてしまい。水やりの大変な里芋を主に作っている。
昨年は、東隣は安納芋を作っていたが、葉が多く茂りすぎて、蔓呆けをした感じだった。そのまた東隣もうまくいかなかったとぼやいていた。
西隣の人は私の父親が薩摩芋を作っている様子を見ていたので、教えてくれたのだが、父親は薩摩芋を作る場所は毎年同じ場所にして、冬場はマルチを張って他の作物は植えていなかったそうである。
私は子どもの頃に芋を掘る手伝いをした憶えはある。芋の畝にはモグラのトンネルがあり、それを掘り続けて、モグラが出てきて驚いたのをよく憶えている。
刈り取った蔓は、畑に大きな溝をこさえて、その中に埋め込んでいた。
父親は薩摩芋を非常に大事にして、温度が15度以下にならないように、暖房をした居間のタンスの上などに新聞紙などで一つ一つ包んで段ボールに入れて保管した。
親戚から貰った紫芋なども、自分で苗を作って増やした。収穫した沢山の芋は、干して乾燥させて粉にしてパンケーキなどの生地に混ぜて食べたりもした。
学生時代、仕送りの少なかった私は家から送ってもらった薩摩芋を、ガスストーブで焼いて、食事代わりにした。だから、薩摩芋は食べ飽きて、しばらくは自分で作る気にはなれなかった。
戦時中にカボチャを食べ飽きたと言って、カボチャをあまり作らなかった父親と同じである。
私は父親ほど薩摩芋には入れ込んでいない。ただ、薩摩芋の場所はできるだけ同じにしているが、冬場には玉葱やニンニクを作っている。馬鈴薯だけは避けている。
去年は久しぶりに収穫が良かったので、薩摩芋の好きな母親にあげると喜んだ。
私は石油ストーブに石を敷き詰めた土鍋を置いて、その中で焼いて食べたし、干してつまみ代わりに食べたが、なかなかいけた。家内や息子は好みではなくて、あまり食べなかったが、弁当のおかずなどにはよくしていた。
何より、薩摩芋は上郡から遠くにある赤穂の畑で、夏場は放っておけるありがたい作物だ。
スイートコーンや落花生のようにカラスの被害もない。 肥料もあまりやらなくていい。
上郡では山に近いので猪の心配もあるし、粘土質の土壌にはあまり適していない。
今年は天候が不順な感じがする。雨も例年になく少ないので、あまり期待はできない。
去年の安納芋のように失敗しないか不安もある。
2250円の元手は何とか取り戻したいものである。
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