今、寝室として、以前まで娘が使っていた二階の東側の部屋を使っている。
その部屋の窓は、東側と南側にあって、夜になると星をベッドに横たわりながら眺めることができる。
私は主だった星座は判別できるが、明けの明星、宵の明星以外の星は殆どわからない。
ただ、今年は火星大接近と言うことで、南側の窓にひときわ赤く輝いている火星は判別して眺めている。
小学生の頃は、尾崎小学校で夜に星の観察会があって、母親や兄弟と一緒に出かけたりした。
一生懸命、北斗七星や北極星を探したのを憶えているし、流れ星に心躍らせた。
星が一番すごいと思ったのは、夏休みに奄美大島に村落調査に行くフェリーの上だった。
夜、フェリーの一番上のデッキの上から見える星は、こんなに星が空にあったのかと思った。
空から星が降り注いでくるのではないかというほど、迫ってくるものがあった。
他にもキャンプに行ったときには、星空を何度も眺めたが、東シナ海の洋上で観た星ほどのスケールではなかった。
本当は、訪れた奄美の与路島でも美しかったはずだが、夜に家の外にいるときは、ハブを警戒して懐中電灯で照らした足下ばかり見ていた。
また、確かに姫路科学館のプラネタリウムの星も幻想的で美しかったが、自然に勝るものではなかった。
その洋上の星には叶わないが、気軽に横になって眺められるベッドは、フェリーのデッキよりも居心地が良い。
20代の頃に感じた心象が、星空と共に時に蘇ってきて、当時の自分であるかのように錯覚する。
また、星空を眺めながら、眠ってしまうことができる。
そして、お気に入りの音楽を聴きながらも眺められる。
夜中にふと目が覚めると、月が昇っていて得をした気分にもなる。
周りに明かりの少ない上郡ならではの恵なのである。
果たして娘はこの星空を憶えているのだろうか。
私は娘の置いてあったベッドと同じ位置にして寝ている。
寝坊助の娘は、星を眺めることすらなかったかも知れない。
お月さんや星がずっと、窓からずっとのぞいていたというのに・・・
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