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2024年6月5日水曜日

上を向いて歩けないのは涙を忘れたから

 NHKの映像の世紀バタフライエフェクトの「安保闘争 燃え盛った政治の季節」で、永六輔作詞の「上を向いて歩こう」が、安保闘争の敗北感から生まれたことを知った。

その安保条約の相手国であるアメリカのビルボードで1位をとり、大ヒットするとは皮肉なことだと思った。

安保で流した涙はヒットで大もうけして、笑顔になった訳なのだろうか?

安保で敗れヒットで勝利した永六輔はたぶん複雑な気持ちだったのだろうと思う。

危機を感じていた学生も市民も、日本人の体制勢力ではなかったことは自民党政権が続いたことでもわかる。

その後、沖縄が要塞化されて、日本が兵站を担い、アメリカは世界中で戦争を続けてきた。

日本は平和主義を掲げながら基地を提供して、かわりに高度経済成長をさせてもらい完全にアメリカの奴隷に成り下がってしまった。

かつて、白洲次郎が「戦争に負けたけど奴隷になったのではない」と言ったそうだが、結果的には安保条約で奴隷になってしまったようだ。


ただ、日本は意図してかどうか知らないのだが、中国は円借款も手伝って経済成長して、

アメリカに対抗できるだけの力をもつ国となった。

中国は天安門事件で学生を弾圧したが、日本の安保騒動どころではなかった。

そして、香港の自由を奪い、台湾の自由をも奪おうとしている。

この中国の台頭で、日本は兵站の役割から、岸首相の孫のおかげで一緒に戦う戦闘部隊に格上げとなった。

学生運動に参加した大学生たちは、日本の高度経済成長の企業戦士に変身して、政治家を企業献金で雇い国民ではなく、企業のために尽くした。

その企業本位のの政策によって、今の日本が作りげられた。

そして、市民は平和ではあるが、生活よりも仕事を優先して、地域や家を解体させ所得格差を高めていった。

地球環境を犠牲にした経済発展という巧妙なアヘンに侵されて、本当の危機を感じる力も失っている。


アメリカの意向に沿った憲法が作られ、安保条約が憲法を超える力になっていることを、日本人は理解してきたのだろうか。

今、アメリカ従属のままで、憲法を改正しても、おそらくこれまでと大して変わらないだろう。

核兵器で多くの日本人を虐殺したアメリカが核の力を誇示している状態で、逆らえないのは常識的にわかることだ。

憲法を超える安保条約を背景に強かで巧妙に傀儡政党が政権を金の力で担い続けた。

経済発展がいかにもろいものか、目先の豊かさのバブルに踊らされた後で、基軸通貨ドルで振り回されることで思い知っているはずだ。

一度支配された国は支配した国が崩壊しないと真の独立はあり得ないだろう。

朝鮮しかり、東ドイツしかりである。

一方、琉球王国は沖縄県として日本化が進み、アメリカと日本の二重支配体制にされてしまった。


そして、再び戦争の時代を迎えている。

プーチンが堂々と核を脅しに戦争ができるのも、日本を従属させているアメリカが手本だろう。

北朝鮮が核兵器にこだわるのも、イラクやリビアだけでなく日本をもみているからだろう。

そのアメリカもトランプが大統領になったら、どうなるかわからない。

どうも、今は他国の戦争で潤っているアメリカ自体が、崩壊の可能性を持っているように思えてくる。

ソ連が崩壊して、カラシニコフが世界に拡散して紛争を多発させたように。

アメリカが崩壊したら、核兵器が拡散して現実に使われるかもしれない。

イエオロギーや哲学、宗教に関係なく、核兵器の力の前では言葉を失う。

狂った核兵器の前に学者も政治家は、これまでは核抑止力を唱えてきたが、その嘘が明らかになった今は疚しき沈黙を続けるしかないようだ。

涙も忘れたこんな時代に、誰が上を向いて歩けるのだろう?





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