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2012年7月25日水曜日

エコな暗い夜

節電の意味もあって、夜は極力エアコンは使わずにベランダに扇風機を出して、網戸も開いて送風する。
そうすると外から虫が入ってくるので、それを防ぐことと、節電のために照明も暗くしている。
照明はまず、昼間蓄電するライトをベランダの物干しに置いていおき、夜に部屋の中に入れる。
それだけではパソコンを使うには暗いので、LEDの懐中電灯をキーボードに照射している。
暗いのに目が慣れてきたが、何よりも却ってリビングの明るさの方が落ち着かなくなる。
以前から寝る前には気分を落ち着かせるために、小さな明かりに変えていたのだが、仕事をする時もあまり明るくない方が疲れないし、落ち着くことがわかった。
以前は目が悪くなるから明るくするように言われてきたが、最近はそう言われなくなったので目に不安を感じていない。
そもそも、ディスプレーが充分明るいのである。

暗いのが落ち着くことでふと思い出したのは、やはり奄美のことである。
私が調査していた奄美の村落の家屋には、まだあまりガラスサッシが無かった。
暑い夏の夜は板戸を開け放っていたので、蚊取り線香は欠かせなかった。
当然当時は島に発電所があって、時々停電はしたもののちゃんと電灯は点いていた。
知り合った青年団の仲間と飲むと、決まって電気を消して懐中電灯を蛍光灯に照射して雰囲気を出していたことを思い出す。

これから琉球諸島では八月行事という夜の祭りに向かっていく。
本土でも盆踊りの季節になる。今でこそ照明機器で明るいので月の光は必要ないが、昔は月の光が大切な照明だった。
だから、十五夜に合わせて踊りが行われたのである。
電灯無かった頃、普通の家では蝋燭なども滅多に使わず、月が昇るのを心待ちにした。
それが、月待ちであった。
テレビもラジオもなく、歌ったり話したりするしか娯楽がなかった頃の夜の風景である。

そう言えば私も幼い頃、夏の夕方になると路地に出て、夕涼みをした。
母親は温もった石に腰掛けると気持ちいいと言っていた。
玄関先で穴子などを七輪で焼いていたりした。
路地は大人や子どもの憩いの場でもあった。
だいたい、車など通ることはなかったからだ。
何よりも蚊帳が夏には欠かせなかった。網戸など無かったからだ。

上郡の今住んでいる村は夜だけでなく、日中も川の端の家などは涼しい。
それなのにエアコンを使う家が多い。特に最近建てた家は風通しを考えていない。
太陽光や都市ガスを使ったエコも良いが、もう一度自然に寄り添う生活スタイルを、新しい形で実現してみても良いような気がする。
明かりの少ない暗い夜の生活も良い。
治安が悪いヒートアイランドの都会ではできないことかも知れないが・・・

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