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2015年1月25日日曜日

成人を祝う会

前任校である特別支援学校の教え子たちが,今年成人を迎えたというので、それを祝う会があり参加した。
私は障害児教育の学校は三校経験しているが、こういう催しは初めてであった。
姫路駅前の立派なホテルの会場を借りて、正装でと言うのでネクタイだけは締めていった。
会場でその意味が分かった。
教え子の多くは成人式に備えて、スーツや着物を用意しているが、自治体の主催する成人式には多くが参加していなかった。
障害者の会である手をつなぐ親の会(育成会)の催しもあるが、それにも殆どの卒業生は参加していなかったという。
保護者や高校時代の担任の先生が中心となって、晴れ舞台をつくってあげていることが分かった。

教師の方は、学校が分割されたり、異動したりで、そのまま勤めている先生は三分の一以下で、しかも全員が出席ということでは無かった。
生徒の方も、私が担任しているクラスは、7人中4人しか出席しておらず、欠席していた生徒の方が気になった。
卒業して2年ほどしか経っていないこともあって、雰囲気は高校時代とあまり変わりは無かった。
ただ、着物を着せてもらっている女子は、やはり華やかで見違えた。
何よりも、保護者の方がこの会を喜んでいる様子が格別良かった。

私は普通校に移って、2年目と言うこともあって、以前の雰囲気に戻るのに戸惑いもあった。
生徒とはいつものように話せるのだが、ステージで踊ったり歌ったり、ゲームをすることに躊躇いができてしまっていた。
その点では、特別支援学校に勤め続けている先生が、女装したりして卒業生たちを引きつける工夫で和ませてくれた。
卒業生たちは、高校にいた時と同じのりで、楽しい時間が過ごせたと思う。

帰りすがら思ったのは、やはり参加しなかった生徒のことだった。
事情も色々あっただろうが、自治体の成人式にも、こういう催しにも参加していないのだろう。
ただ、自分自身も成人式には参加していないし、祝ってもらったことも無い。
自分は大学が名古屋で遠かったので、赤穂に戻る負担も多くて成人式には帰らなかった。
スーツも教育実習を行うまで、持っていなかった。
そして、何より中学校から地元赤穂を離れているので、友達に会う目的がなかったからである。
その点、地元の学校を卒業した私の子供は成人式にはちゃんと帰って参加したのとは違う。
要するに生まれ育った場所と、どれだけ密接なのかと言うことである。
そういう意味で、特別支援学校の生徒と私は、地元との関わり薄い点で似ているのである。
違うのは自分達の手で、同窓会などの催しを出来るかどうかと言うことだろう。
私は高校の同窓会には、学生時代からよく参加した。
生徒たちは学校が主催する学校全体の同窓会に参加できるが、参加する人数は多くは無い。
だから、卒業後に学年で集まることが出来る最大の催しが、この成人を祝う会なのである。

今回、無事成人を迎えることが出来た生徒を見て、嬉しく思った。
参加できなかった生徒や教師の方が気にはなるけれど、こういう催しが盛大に出来ていることの方を喜ぶべきだろうと思った。
個人個人の様子を聞いたら、色々考えさせられることもあったけれど、これからも何とか頑張っていきていってくれると思う。
年老いていく自分の方がむしろ取り残される感じもするが、また町で出会ったら互いに様子が話せるよう互いに健康であればと思う。

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